はじめての家づくり、なにから始めたらいいの?
そんな方にこそ知ってほしい6つのポイントを公開します。
第4条の今回は「プランニング」について。
続いて第5条「工事・引き渡し」、第6条「入居後」のステップに沿って、
家づくりの『?』にお答えします。
第4条 プロと二人三脚でプランニング
~想いを伝えて答えをもらう ~
家を建てる土地が決まったら、
外観や間取り、内装を考えるプランニングのステップへ。
さっそく住宅会社にプランの作成を依頼しましょう。
敷地調査や伝えた要望をもとにプランと概算見積もりが提示されたら、
あとはプロと二人三脚で、満足できるまでプランを練り上げていきましょう。
いいプランを提案してもらうには伝える情報がカギになる!
家づくりは、専門的な知識なくしては実現できないことばかり。信頼できるプロのパートナーの存在が不可欠です。気になる数社をピックアップして、プランの作成を依頼しましょう。せっかくの家づくりですから、プロならではの「感動のプランニング」を期待したいところです。そのためには、担当者のヒアリングに答えて、できるだけ多くの情報を伝えること。こちらの希望をどれだけくみ取って提案してくれるかが、会社選びのポイントにもなります。
家族構成を伝えよう
家族構成、特に子どもの年齢や親との同居(2世帯)の有無を伝えましょう。親世帯と子世帯は、生活スタイルも生活時間帯も異なるので間取りの配慮が必要です。その他にも、将来の家族構成やリフォームの予定なども伝えておくと、より踏み込んだ提案をしてもらえるでしょう。
ライフスタイルを伝えよう
家での過ごし方や生活スタイルを伝えましょう。だれが、何時頃に、どの場所で、どんなことをしているのか具体的に挙げると、より理解が深まります。たとえば帰宅時間の違う共働きご夫婦でしたら、寝室や照明計画の工夫を提案してくれるかもしれません。
今の家の悩みを伝えよう
設備、間取り、内装デザインなど、今住んでいる家の不満や使い勝手の悪さを伝えることも大切。その悩みは、今の家があなたの暮らしに合っていないサインです。「現実」をきちんと見つめ直せば、「理想」とする住まいも見えてきます。
今の家を見てもらおう
口頭や文面で説明するよりもっといい方法が、今の自宅を見てもらうことです。暮らしていると、本当は不便なのに慣れてしまって気にならない所や、動線や手順など意識していない習慣があるはずです。生活の現場でプロに聞き出してもらうことで、気付かなかった要望や不満が明らかになります。
敷地のゾーニングと室内のプランニングを固めよう!
建物の外と内をゾーニング
ヒアリングと同時期に敷地調査を行います。ここはプロの出番です。敷地の間口や方位、日当たりのいい場所、道路や隣家との位置関係などを読み取り、用途地域や斜線制限などの規制も確認します。
この調査でわかった敷地状況をもとに、敷地の中に「家・庭・駐車スペース」の3つをどう配置するか考えます。「外」が決まったら、次は建物の「内」をゾーニング。いわゆる間取りです。日当たりのいいエリアにリビングを配置するなど、日照条件や庭の計画なども考慮し、部屋をレイアウトしていきます。
こだわりの空間を軸にプランニング
建物内のプランニングは、住む人とプロが一緒に考えていくものですが、「リビングを南側に置きたい!和室も南に!キッチンは広いほうがいい!」と、あれもこれもオーダーすると、建物内に部屋を詰め込むだけで精一杯。敷地内に収まらないこともあります。
大切なのは、間取りの軸になる空間を決めることです。外の景色を見ながら料理するのが夢だったら、見晴らしや日当たりのいい場所にキッチンを配置して、そこを中心にレイアウトを考えましょう。住まいのプランニングは、敷地の「制約」と間取りの「要望」をいかにバランスよく整えるかが成功の秘訣。間取りの軸が決まれば、敷地と照らし合わせながらプランニングは自然に決まります。
暮らしの動線から考える
プランニングを考える上で忘れてはならないのが人の「動線」です。どの部屋の隣にどんな部屋を配置すれば、スムーズに動けて過ごしやすくなるのか。この動線には「メイン」と「サブ」がありますが、朝起きてから夜寝るまでの一日の行動を想像すると、自分たちにとって暮らしやすい動線が見つかります。
- メイン:玄関からリビング・ダイニングへの生活動線
- サブ:勝手口からキッチン、浴室・洗面室などの家事動線
家事がラクな動線
ポイントは「短く、無駄なく」。
家事が効率的にできる動線が理想。
洗濯して干し、アイロンをかけて収納する作業や、買い出しした食料・日用品を搬入して整理する作業など、毎日の家事をスムーズに行うための動線は重要です。ポイントは「短く、無駄なく」。できるだけ短い動線で流れるように家事が完結するイメージでプランニングすることが肝心です。
家族がつながる動線
さりげなくつながる、なんとなく集まる。
家族のコミュニケーションを深める動線を。
家族が一緒にいられる時間は意外に短いものです。それぞれが忙しく、時間も趣味もばらばらになったとき、それでも家族がつながっていられるように。なんとなく家族が集まってくる居心地のいいリビングだったり、家族の帰宅や外出が確認できる玄関や階段の位置などを考えましょう。
外観デザインから考える
間取りの軸となる空間を決めたように、家の顔となる外観にも好みの形やデザインがあれば、そのイメージを最初に伝えておきましょう。間取りと外観は切っても切れない関係にあります。というのも、間取りの凹凸に伴って、家の外観も自然に決まるからです。その逆で、外観の凸凹や屋根の形によって、間取りもおのずと決まります。たとえば「箱のようなシンプルな外観よりも、複雑な形の個性的な外観がいい」のであれば、外観に凹凸をつけるために部屋の配置や広さが決まります。
「1・2階にわたる大きな窓をアクセントにしたい」のであれば、その窓のある空間は吹抜けのリビングや玄関が適しているかもしれません。屋根を、勾配のある切妻や寄棟にするか、フラットな陸屋根にするかでも、中の空間は大きく左右されます。外観のイメージもできれば固めておきましょう。
数社の提案を比較して気に入った会社に早めに絞ろう!
依頼した数社から提案されたプランや見積もりを比べて、「こういう家に住みたい」「この担当者ならわかってくれる」と思えるものがあれば、早めに候補を1社に絞ってもいいかもしれませんね。家づくりは、およそのプランが決まれば、細々としたことを決める実施設計の段階に入ります。ディテールを詰めるほど最終的に満足のいく家ができるので、いくつもの会社を並行して打ち合わせしていると、貴重な時間を費やしてしまうことになりかねません。
反対に、最初から1社に絞って依頼するのは少しもったいないかも?依頼先が数社あれば、1つの要望に対して異なるアプローチの提案が得られて、新しい発見があるかもしれません。
いずれにしても、その会社や担当者は、これから長く付き合うことになる存在です。いい家をつくり、建てた後もいい関係を続けていくためにも、想いに応えてくれるプロと力を合わせて家づくりを進めていきましょう。
プランニングのステップでは、専門知識がないとわからないことが多く、家族の間で意見が合わないこともあるでしょう。そんなときに頼りにできるのがプロです。ご要望を考慮しながらベストのアドバイスをして、家族の意見も調整し、敷地と建物と資金のバランスをとる。そんな頼もしい仕事ぶりは工事の現場でも発揮されます。次は、建物の着工からお引き渡しまで、工事の流れを追いながら、知っておくと役に立つ情報をご紹介します。
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