観葉植物は日々の暮らしに潤いを
与えてくれる存在です。
京都・二条にある観葉植物専門店
「cotoha(コトハ)」を訪ねて、
観葉植物について知っておきたいこと、
そして選ぶときのポイントを伺いました。
2023.12
京都・二条城そばの小道へ
階段を上ると広がるグリーン空間!
車道脇の看板が目印。緑あふれる小道をそのまま奥へ。
小道沿いにショップが並び、緑に包まれたカフェの奥に入り口がある。
入り口の看板を確認して、階段を上るとそこは別空間!
まるでジャングル?!階段を上ると現れる広々した空間は大きな温室のよう。所狭しとグリーンが置かれ、BGMで流れる鳥の声になんの違和感をもたないほど。どの鉢もつやつやと元気な葉がしげり、心地よさ満点の空間です。
コトハは観葉植物を専門に扱うショップ。元撮影スタジオだった店舗は天井が高く、大きな窓から光が注ぎます。店内には背丈を超える大鉢から、多肉植物やエアープランツまで多彩なグリーンがそろっています。
大きさも種類もさまざまな観葉植物が置かれた店内。通路に沿って回るのが楽しい。
観葉植物とは
室内環境に慣らして育てたもの
「観葉植物って実は明確な定義がないんです」と話すのはコトハ店主・谷奥俊男さん。「たとえば人気のガジュマルは、産地の沖縄では街路樹として植えられているものです。植物には環境に適応する力があるので、本来、屋外で育つものを温室ハウスで屋内の環境に順化させながら育てたのが観葉植物なんです」。そのため、少ない光でも育ち、本来よりゆっくり成長するようになっているのです。
しっかりと順応させたものかどうかは見た目ではわかりません。谷奥さんはいま、業界全体で品質保証をラベル化する指標づくりに尽力しているそうです。「きちんと育てられたものでないと枯らしてしまうこともあると思います。信頼できるショップで選ぶことも必要だと思います」
店主・谷奥俊男さん。実家の生花店を継ぎ、花の少ない時期に観葉植物を扱い始めたのを機に専門店を出店。豊富な品ぞろえが好評を博し人気店に。店舗や個人宅のオーダーも扱っている。手にしているのは柱サボテンの親株。
伸び伸びとした枝ぶりの観葉植物で
森の癒やしを感じる空間に
店内にあるたくさんのグリーンの中から選ぶのは至難の業のように思えます。谷奥さん流の選び方のヒントは森にあり!「森って癒やされますよね。林はどうでしょう?手入れされてきれいだけど、そこまでではない。そのままの、整えられていないところに癒やされるんだと思います」
店には枝が木陰を作るように大きく伸びた大鉢がそこかしこに。沖縄の産地を訪ね、枝ぶりのいい植物を育てている農家を探すなど、仕入れ先にもこだわっているのだとか。「木陰って気持ちいいですよね。部屋に置くときはその枝ぶりを生かしてください。たとえばソファの左手に、右に枝が伸びた鉢を置く。葉が少しかかるようにすると、心地よい空間ができますよ」
すくすくと伸びた枝が気持ちいいベンガルゴムの大鉢 26,400円。勢いのある枝ぶりを生かしてセッティングしたい。
ソファとグリーンを絡めて。右へ大きく伸びた枝はエバーフレッシュ 26,400円。その右の低めのグリーンはアマゾンオリーブ 12,160円。
また枝ぶりだけでなく、葉の形にも注目すると部屋とフィットしやすいと谷奥さん。「たとえば、フィカスなどの丸みのある葉は優しい印象になりますし、ストレリチアなどの細長い葉はスタイリッシュなインテリアと合うと思いますよ」
愛着がわくものを選ぼう!
置きたい場所の環境も事前に確認を
生命力にあふれたグリーンがそろう店内。わが家に招き入れたいものをじっくり選ぼう。奥に鉢のコーナーもあり、グリーンに合わせて好きな鉢を購入することもできる。
「観葉植物は物ではなくて生き物。犬や猫を飼うのと同じような心構えは必要だと思います」。エサを与えたり、散歩に連れて行ったりするように、手をかけ続けることは必須。
「お客さまから強いもの、育てやすいものはどれかとよく聞かれますが、やはり自分の好きなものを選んだ方が愛着がわきますし、結果として長く育てられると思います。迷ったら好きな方を信じて選んでください!」
さらに、店を訪ねる前に置きたい場所の環境を確認しておくこと。「植物に必要なのは光、水、風。どれくらい光や風が入るのか、温度はどうか。家具のそばに置くならサイズも必要ですよね。事前に確認しておけば相談しやすいと思います」
ネムノキの仲間、エバーフレッシュは葉が揺れる姿が和やかな印象。不調になった状態がわかりやすいので育てやすい。
オブジェ感が人気のサボテンたち。中央はユーホルビア ステノクラータ16,500円。
近年人気の高い、木に着生するシダの一種、ビカクシダも豊富に。
多肉植物やサボテンのコーナー。葉や茎、根に水分を溜め込む多肉植物はインテリアのアクセントとしても人気。
緑の小道に沿って進むと入り口が。表通り沿いには生花等を扱う姉妹店「Blowmist BOOM」も。
cotoha(コトハ)
京都府京都市中京区西ノ京職司町67-38
tel.075-802-9108
12:00~17:00 水・木曜休み
cotoha-plants.com
※表示価格は消費税込み2023年12月現在。詳しくはコトハのウェブサイトをご確認ください。