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住みよい間取りのタネあかし 第七考水回りには暮らしに合わせた
ひと工夫

洗面室と脱衣スペースを分けてみては

朝一番に最も混雑するのが洗面室です。洗顔、歯磨き、化粧をはじめ、朝にシャワーを浴びる家族がいると、一気に混雑してしまいます。一般的な間取りでは洗面室が脱衣室を兼ねており、洗濯機を一緒に置く家庭が多いようです。そこで、この兼用空間を少し進化させて、洗面室と浴室の間を「ランドリー&脱衣スペース」として緩やかに仕切るというのはどうでしょう。しかも、そのスペースを室内干しができるようにしておけば、まさに一石三鳥ですよね。また、洗面室は、化粧品、タオル、ドライヤーなど、形の違うかさばるモノが多いので、収納はしっかり用意することがオススメ。ただ、奥行きを深くすると奥のモノが見えなくなるので、できるだけ浅めの収納にするよう心がけてください。

ランドリースペースは共働き家庭にとても便利

近年の共働きの家庭では、仕事から帰宅後に洗濯をして夜中に干したり、出かける前に洗濯をする人が多いようです。日中のにわか雨や、花粉、PM2.5などの付着を考えると、外に干すのはやっぱり避けたいという人もいらっしゃると思います。そこで、オススメしたいのが、ランドリースペース。小さくても室内干しできる場所があれば、洗濯行為が効率化できより便利に暮らすことができると思います。

浴室は家事動線と一緒に考える

浴室・洗面室の配置(ゾーニング)を考える上で大切なのは、日々の家事動線をしっかり意識することです。家事をテキパキ効率よく行うには、調理をしながら洗濯をしたり、同時並行で作業を進めることが重要になります。そういう視点に立てば、浴室はキッチンやダイニングの近くにある方が、暮らしやすさが向上しとても便利です。また、浴室で気をつけたいのが扉の位置。洗面室(脱衣室)の扉を開けた時に、リビングや玄関のパブリックゾーンから、浴室の扉が丸見えにならないよう気をつけましょう。

トイレには廊下やホールから入るように

トイレは不思議と住まい手の趣味や感性が表れるものです。清潔さを保つことは基本として、ちょっとした置物などを飾る棚をつくりつけるのもいいかと思います。もしもお客様が使うことがあるなら、少し広めにプランニングするのがいいですね。トイレで注意するのは、リビングやダイニングから直接トイレの扉が見えないようにすること。なるべくホールや廊下から入るように考えましょう。一方で、洗面室から入るのは避けるようにしてください。お客様に脱衣室などを見られることになりますし、家族でも誰かが入浴中に通過するのは気まずいですから。また、注意事項として、トイレのドアは外開きにすること。トイレ内で万一、誰かが倒れた時などに、内開きだと助けるのが難しくなりますので気をつけましょう。

住宅設計アドバイザー 一級建築士
山形大学工学部 特任教授 (前)近畿大学建築学部 教授

木村 文雄

1976年 芝浦工業大学 工学部建築学科卒業
ハウスメーカーにて住宅設計、商品企画、研究開発などに携わり
2013年4月より近畿大学建築学部 教授に就任
2019年4月より現職

※掲載の情報は2020年4月現在のものです。

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