照明は暮らしに欠かせない存在です。
最近ではデザイン性や機能面でさまざまな種類の照明器具が販売されており、
どこに何を取り入れるかについて考えるのはわくわくするもの。
照明の使い方ひとつで生活空間は大きく変わります。
新築時でないと取り入れにくい照明もあるので、住宅の購入を予定している方は、
間取りの計画と併せて照明についても考えてみませんか。
照明の専業メーカーであるコイズミ照明に、
快適な暮らしを実現する照明計画の考え方を3回シリーズで教えていただきます。
第3回は「エクステリアの照明をデザインする」です。
住宅全体とのバランスを考える
第1回第2回では、室内の照明について考えていきました。今回は住宅の外側であるエクステリア、外構、庭を照らす照明の取り入れ方についてご紹介します。
室内では空間の役割に応じて照明を考えることが大切だとお伝えしましたが、それはエクステリアにおいても同様です。住宅全体からエクステリアの役割を考慮してバランスよく演出していきましょう。
門柱灯や外灯は暗くなった帰宅時の住宅をほのかにライトアップして安心感をもたらし、防犯にもつながる実用的な役割を果たします。またバルコニーやベランダ、土間などの空間もシーンやライフスタイルに合わせてライトアップすることで心地よい空間を演出することができます。ご自身が描く門柱・ポーチ、アプローチ、中庭のイメージを膨らませてください。
3つの空間別に照明計画を練る
門柱・ポーチ
「わが家の顔」である門柱・ポーチは、大きな光源を一つだけ配置するより必要な場所に小さな照明をバランス良く配置して、敷地全体を照らしましょう。敷地の境界線を明るくすれば、防犯効果も高まります。また、住宅の個性を演出する上でも重要な役割を担うので、照明器具のデザイン選びが大切です。おすすめは門柱灯、ガーデンライト、ポーチ灯をトータルコーディネートすること。建築デザインとマッチさせれば、統一感が生まれてより演出が効果的になります。
ファサード面やアプローチ部分の壁面に照明の光を当てる手法を用いれば、視覚的に明るさ感を高めることが可能なので検討してはいかがでしょうか。壁面からほのかに反射する柔らかな光は、ファサードやアプローチ部分を気品あふれる仕上がりにします。バリードライト(地中埋込灯)やガーデンライトを等間隔で配置すれば、陰影の美しいメリハリのある空間を演出することができます。
ポーチ灯の取り付け位置について
玄関の外に設置するポーチ灯は、夜間の玄関周りを明るくする役割を担っています。ポーチ灯を壁面に取り付ける場合、ドアを開けた時に影で暗くならないように、ドアノブ側に設置しましょう。
アプローチ
門から玄関までをつなぐアプローチ部分の照明は、住宅で暮らす人・訪れる人を門から玄関まで導く役割があります。日が落ちても安全に歩けるように、壁面を照射したり、足元を照らしたりします。スポットライトやガーデンライトを、リズミカルに配置すれば、メリハリのきいたドラマチックな空間を演出することができます。
中庭
四季の風景を室内にもたらし、暮らしに豊かさを与える中庭。最近では、室内と庭が一体となった設計も多くみられます。照明計画においても室内の延長として統一感のあるライティングがおすすめです。特に重要なのが、中庭の印象を左右する植栽のライトアップです。ここでは美しくライトアップする方法をご紹介します。
照明の当て方には主に3パターンあります。
1つ目が「植栽の前から照射」です。室内から見える植栽の正面を直接ライトアップすることで、樹木の影が後ろにある壁面にほのかに浮かび上がり、昼間とは異なる幻想的な雰囲気が生まれます。
土に差し込むタイプのスパイク式スポットライトは、さまざまなライティング方法があり、お好みの演出が可能です。例えば、複数の方向から均一に照らすクロスライティングという手法を用いれば、影のでき方や色温度がそろい違和感のない仕上がりになります。複数のライトで照らすため、それぞれのライトの位置、角度を調整することで、理想に近い明るさや光の範囲をつくり出せます。ポール式のガーデンライトや、地中に埋め込むバリードライトは樹木や壁面を下から照らして立体的に演出します。
スポットライト
樹種や高さに応じてライティングできます。
クロスライティング
ガーデンライト
低位置からのアッパー照明により樹木や壁面を立体的に演出します。
バリードライト
低位置からのアッパー照明により樹木や壁面を立体的に演出します。器具を地面に埋め込むことで、器具が目立たずどんな空間にも調和します。
2つ目が「植栽の後ろから照射(シルエットライティング)」です。植栽を直接照射するのではなく、後ろの壁面をライトアップすることで、反射光により樹木のシルエットを浮かび上がらせることができ、落ち着いた上品なイメージをもたらします。
スポットライト
樹種や高さに応じてライティングできます。
間接照明
植栽や壁などの鉛直面への演出ができます。
3つ目が「上からの照射(ダウンライティング)」です。樹木だけでなく庭の地面を照らし、低い植栽にも表情を与えます。
スポットライト
樹木のライトアップと庭の地あかりも確保します。
ガーデンライト
低い植栽を広範囲にしっかりと照らし、地あかりも確保します。
今回は、エクステリア・外構・庭など設置場所ごとの照明についてご紹介しました。照明計画においてはコンセントの配置や配線も重要になります。住まいを新築する際は、ぜひエクステリアの照明も同時に考えてみてはいかがでしょうか。
写真提供:コイズミ照明
取材協力
コイズミ照明株式会社
(本社)〒541-0051 大阪府大阪市中央区備後町3-3-7 TEL:06-6266-8141
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