「子どもを育てやすく、かつ大人も快適に過ごせる家」を考えるこの企画。
いままさに子育てに奮闘する現役ママ社員が、
リアルな子育て現場のエピソードを話し合い、解決へのヒントを探ります。
今回のテーマは「おうちの中での情報伝達」。学校からもらってくる大量のプリントの管理など、子どもがいる家庭にありがちな悩み。ふだんあまり意識することがないだけに、明確なルールが決まっておらず、ちょっとしたモヤモヤの原因になっていることがわかりました。
大事な連絡事項をしっかりと伝えつつも、おうちの中はすっきりうつくしい暮らしを叶えるためには?そんな理想の家を作るために、できるアイデアを考えてみました。
座談会に参加してくれたのは
濱田千秋
住宅事業推進部
西日本住宅設計室1課
一級建築士
戸建住宅の設計とインテリアを担当。2歳の女児1人の母。3人家族で3階建ての戸建に住む。
村上かをり
住宅事業推進部
西日本住宅設計室1課
一級建築士
戸建住宅の設計とインテリアを担当。19歳、14歳、10歳の3兄弟の母。5人家族でマンション住まい。
河原和美
住宅事業推進部
西日本住宅設計室1課
一級造園施工管理技士
戸建住宅の外構設計を担当。11歳、8歳の女児2人の母。4人家族で3階建ての戸建に住む。
学校からのプリント管理に悩む・・・
- 最近、連絡はほとんどスマートフォンやパソコンなどで済ませられるようになったのに、子どもの世界はいまだに昔ながらのプリントですよね・・・。この紙モノの管理に悩んでいる人はきっと多いはず。
- スマートフォンのスケジュールに切り替えたいけど、子どもの面倒を見てくれるおばあちゃんが使えなかったりもするから、子育て家庭ではアナログなカレンダーや紙の伝言が必要ですよね。わが家ではお弁当関係のプリントは冷蔵庫に、学校の行事関係のプリントはカレンダーの下に貼り付けています。それが一番忘れにくいけど、見た目がいまいちで・・・。
- 読んだらすぐ処分しているけれど、少し先の行事予定や、習いごとのスケジュール表は捨てられないし。戸棚にしまい込むと途端に連絡内容を忘れるので、しばらく目の届くところに置きたいものってありますよね。
プリントを掲示する場所はどこがベスト?
- こういうちょっとした情報が書き込める「情報シェアボード」。家事の状況を書き込んで共有するものですが、家族全員に伝える内容ならここに掲示するのがいいかも。
- 「袖壁収納」もいいですね。対面キッチンの袖壁などリビングから見えにくい場所にコルクボードやホワイトボードを付けられます。
- 「ファミリーギャラリー」もありますよ。連絡事項を書いたプリントや、子どもの作品、家族の思い出の写真等をマグネットで貼ったりできる他、ボード用マーカーで文字を書いたりもできる壁材。壁一面に書き放題、貼り放題です。
- こんな大きな落書きボードがあったら、子どもは楽しそうですね~。でもこういうのがあからさまに見えていると、生活感がでてイヤっていう人も多いかも。
- 確かにリビングまわりにあると見た目がごちゃっとしそうですね・・・。付けるならお客さんには見えないけれど、家族はよく通るところにするなど、間取り上で工夫しないとね。
- 生活感を隠したいなら、「お便り紙蔵庫」もありかな。ダイニングやリビングなどに散らかりがちなDMやプリントを収納したり、扉にマグネットで留めたりできます。お客さんが来た時には扉を閉じるだけで見えなくなって便利。
予算や子どもが巣立ったあとのことも考えると、作り付け以外もあり?
- 家にプリントが溢れるのがイヤですが、わざわざ造作をするのはあまり気がすすまないんです・・・。
収納上手な人が、開き扉の裏を有効活用している例をネットや雑誌等でよく見かけます。リビング収納の扉の内側に、フックやクリップを使ってプリントを吊り下げたり、テープを使って貼り付けたり。これならふだんは扉を閉めているので、見た目すっきりのまま暮らせるのがいいですよね。特別に造作をしなくても掲示板として使えるという点でもいいなと思います。
その場合、収納の扉は折れ戸じゃなくて、両開きのリビング収納のほうが便利でしょうね。扉は木製と鋼製のタイプがありますが、鋼製の扉ならそのままマグネットを付けられます。
CPFJタイプ(鋼製)
ホワイト(HM色) - その場合、扉を閉めた時に棚と扉の間に少しスペースが必要なので、家を建てる時に、このように利用したいと設計士に伝えておいた方がいいですね。
- あと、扉の内側に掲示物をしまい込むと、わざわざ扉を開けないと見えない。それが部屋の隣にあったりすると、次第に見に行かなくなり、ママだけが利用することになる可能性もあるので位置も重要ですね。
子どもに伝えるためには、別の工夫も必要?
- 「情報シェアボード」や「袖壁収納」は、お客さんからは見えないけれど家族の目には留まる場所に設置(間取り上の赤矢印)。そこに納まらないプリント類は両開き扉のリビング収納に保管したり、収納の扉の裏側を活用したりすることで、部屋をすっきり見せることもできて、問題解決できそうですね。
- そうですね。ただ1点、気になるのは、せっかく作った掲示板にずっと貼っているとだんだん見慣れてしまって、注意喚起にならなくなることが・・・。
- 大いにありえますね~。わが家も冷蔵庫前の大きめのカレンダーにスケジュールをデカデカと書いていますが、子どもたちは全然覚えてくれない(笑)。
- そうそう、子ども相手だと、控えめだと伝わらないことも多いから。うちはピアノに通わせていますが、友達と遊んでいるうちにレッスンに行くことを忘れてしまうみたいで・・・。ついには「17:30からピアノ」と書いた手作りの紙製パネルを、朝食の席にドーンと置くようにしました。ここまでして、ようやく伝わる感じです・・・。
- インパクトがあって効果的そうですね(笑)。
「住まいの中に生活感を出したくない」とはいえ、「子どもに対しては目立たせないと伝わらない」のも事実だから、場合に応じてこういう方法も必要ですよね!
まとめ
いかがでしたか?
子育てあるあるから出た、何気ないけれども身近な悩みと、それに対する解決アイデア。間取りや収納などの環境を整えてあげることで、すっきり快適な暮らしができそうですね。
※掲載の情報は2019年11月現在のものです。
「子育てあるある」から考える 子どもを育てやすい住まいづくり