寒い季節、私たちが暖かい家で過ごしたいのと同じように、
愛猫にとっても快適な室温であることは健やかな毎日に欠かせません。
特に外気温の影響を受けて、室内にいても急激に冷え込むような時期は、
愛猫も寒さを感じやすくなるため寒さから身を守る対策が重要です。
そこで、愛猫に合ったおすすめの寒さ対策や温度管理のコツを、
モノカどうぶつ病院院長の小林清佳先生にお伺いしました。
寒い季節を、愛猫と共に暖かく健康的に過ごすヒントをお届けします。
猫は寒さが大の苦手!
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猫の寒さに適応する体温調節機能は限られている
猫は体温を保つために、寒い時期には毛を逆立てて空気の層を作り、断熱効果を高める工夫をします。二重サッシのように毛が外気を遮断して寒さをしのぎますが、体温を積極的に上げる機能があまり発達していないため、限界があります。
また、猫はじっとして体力を温存したり、日当たりの良い場所を見つけて体を温めたり、ほかの猫と寄り添って「猫団子」状態で寒さをしのぐ姿も見られます。しかし、これらの方法では厳しい寒さを完全に乗り越えるのは難しい場合があります。
年齢や猫種によって、寒さへの耐性が違います
生まれたての子猫は体温調節機能が未発達のため、特に寒さに弱い傾向があります。また、シニア猫も体温を維持する能力が低下するため、若い猫に比べて寒さに弱くなるといわれています。
一方で、寒い地域に適応した猫は短毛でもアンダーコートが二重になっている場合がありますが、日本国内に多い短毛種やMIX種は寒さに強いとはいえません。そのため、猫の種類や年齢に応じた防寒対策が必要です。
暖かい場所にトイレを置きましょう
寒い環境では猫が体温を維持するために多くのエネルギーを消費し、体力を消耗します。また、トイレが寒い場所に設置されていると使用を避けてしまい、膀胱炎や排尿トラブルのリスクが高まります。暖かい場所にトイレを置くことも、愛猫を寒さから守る重要なポイントです。
おうちの中でできる寒さ対策
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毛布やベッドを冬仕様に
愛猫が安心して過ごせるよう、保温効果のある素材の毛布やクッション、屋根付きベッドを用意してあげましょう。人にとってはまだ寒くないと感じる秋頃からでも、愛猫にとってはすでに寒いと感じていることがあります。猫にとって理想的な室温は22~24度、湿度は60%以上といわれていますので、早めの準備を心がけ、猫目線で管理をしてあげることが大切です。
※愛猫が毛布などをかじってしまうクセがある場合は、別の対策をとってください。
日当たりの良い場所を愛猫の居場所に
窓際の日だまりは、猫が好む快適な場所です。そこで、日中の日当たりを生かしたスペース作りも寒さ対策の一つとしておすすめです。ただし、窓からの落下防止策は忘れずに行ってください。
暖房器具も上手に活用して
エアコンや電気カーペット、パネルヒーターなどを使用して部屋の温度を一定に保つのも効果的です。ただし、以下の点に注意が必要です。
乾燥に注意:エアコン使用時は加湿器を併用し、湿度を60%程度に保つことで愛猫の皮膚や呼吸器を守りましょう。
安全への配慮:愛猫が暖房器具の高温部分に触れた場合、やけどを負う危険があります。また、長時間低温状態に触れ続けると、気づかないうちに低温やけどを引き起こすこともあります。ほかにも、コードをかじるなどイタズラをしてしまう愛猫には、電気カーペットやパネルヒーターは安全面で注意が必要です。その場合は、直接触れる危険の少ないエアコンを活用するのがおすすめです。
家全体が暖かい環境を目指そう
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空調管理で、快適な温度・湿度を家じゅうでキープ
寒い季節には、家全体を均一な適温に保つことが、愛猫がどの部屋にいても快適に過ごせるカギになります。特に廊下やトイレの場所も暖かければ、移動時のストレスを軽減できます。
乾燥や安全面の心配を軽減
適切な温度・湿度を家全体で保つことができれば、乾燥によるトラブルが起こりにくくなる上、暖房器具によるやけどや感電のリスクを減らすことも可能です。これにより、留守中の愛猫にも安全な環境を提供できます。
愛猫にも飼い主さんにも快適な暮らし
家全体が暖かい環境は、寒さが苦手な愛猫だけでなく、飼い主さんにとっても快適な暮らしをサポートします。例えば「全館空調」のようなシステムは、家じゅうを均一に暖める方法の一つとして注目されています。こうした工夫を取り入れることで、家族全員が安心して過ごせる環境が整えられるでしょう。
冬の寒さもこれさえあれば安心!大和ハウス工業のZEH住宅
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ZEHって?
住宅の「断熱」性能を大幅に向上させるとともに、高効率な省エネ機器などによる「省エネ」と太陽光発電などによる「創エネ」を組み合わせ、年間の一次エネルギー※消費量の収支をゼロとすることを目指した住まいです。
※化石燃料(石油・石炭・天然ガス)やウラン、太陽光など自然界に存在する状態のエネルギー。
暮らす人や環境にうれしいZEHのメリット
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全館空調との組み合わせで理想的な環境を実現
ZEHと全館空調を組み合わせることで、家全体の温度が均一に保たれ、愛猫も人も快適に過ごせます。例えば、廊下やトイレなどの場所でも暖かさが保たれるため、愛猫が寒さを避けてトイレを我慢することがなくなり、健康維持に役立ちます。また、部屋ごとの温度差がないため、愛猫が移動する際のストレスも軽減され、家じゅうどこでも安心して過ごせる環境が整います。
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いかがでしたか?猫は寒さに敏感な生き物です。これからの季節は適切な温度・湿度管理と寒さ対策を行うことで、愛猫の健康維持と快適な生活を守ることができます。今回ご紹介した方法を参考に、愛猫と共に暖かく健やかな冬をお過ごしくださいね。
監修
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モノカどうぶつ病院 院長
小林 清佳先生
2000年3月、日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学) 獣医畜産学部 獣医学科卒業。2000年4月、獣医師免許取得。山内アニマルセンター(東村山市)、あきペットクリニック(国立市)、モーリスどうぶつ病院(東村山市)での勤務を経て、2008年2月、往診専門モノカどうぶつ病院を開設。同時に日本獣医生命科学大学内科学教室研修生として医療センターで研修を受ける。2009年4月、杉並区宮前で現モノカどうぶつ病院を開院。
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