フォーカルポイントとは、視線が集中する場所のこと。各部屋のドアを開けたとき、最初に目がいく場所で、見せ場としてニッチや床の間、暖炉などがつくられます。ここにセンスよく飾り、人の目を引きつけることができれば、部屋全体が魅力的な空間になります。フォーカルポイントは、住む人のテイストや個性、こだわりを表現するのに最適な場所です。
家具を配置するときや小物をディスプレイするときに、左右対称の「シンメトリー」に配置すればクラシックな印象になり、左右非対称の「アシンメトリー」ではモダンな印象になります。少し重心をずらして不等辺三角形になるように配置することで、動きがありながらも、バランスよくまとめることができます。
印象のよい空間をつくるためには、ドアを開けて視線がいく場所や見せたい場所に魅力的なディスプレイをしましょう。
コーナーに光を配置することで、奥行きや広がりを感じさせることができます。また、玄関ドアを開けてすぐに目に入る場所をセンスよく飾ることができれば、家全体の印象がよくなります。
リビングの壁面に設けたディスプレイ棚。季節ごとに小物を並べ替えるなどして、ディスプレイの変化を楽しみましょう。
フォーカルポイントとなるニッチ。タイルを用いることで、格調高い空間となります。
家具や小物を三角形に配置するとき、二等辺三角形(シンメトリー)と、不等辺三角形(アシンメトリー)では印象が大きく異なります。
●シンメトリー
左右対称の二等辺三角形や正三角形は、重厚感が出て、伝統的でクラシックな印象に。
●アシンメトリー
重心をずらした不等辺三角形は、動きが出て、モダンな印象に。
どこに飾るか決めたら、次は何をどのように飾るか考えましょう。ルールを知ることでバランスよく飾れ、空間が生きてきます。お気に入りの小物やトレンドを取り入れてディスプレイを楽しみましょう。
棚の上やテーブル上に飾るときは真ん中に高いもの、両側に低いものを高低差をつけて配置。少し重心をずらして不等辺三角形をつくると、動きが出てバランスよくまとまります。1か所で物足りないときは、複数の不等辺三角形を組み合わせます。
●不等辺三角形をつくる
底辺:高さの割合は10:6~7重心の位置を左右どちらかに寄せると動きが出る。
1つの不等辺三角形で、物足りないときは…
もう1つ不等辺三角形を作ると、バランスよくまとまる。
小さなびんなどボリュームのないものは、複数そろえることで、存在感が出ます。同じものが3つ以上あれば、並べ方でデザインをつくることができ、インテリアとして生かすことができます。
●小さなものを飾る
複数そろえてボリュームを出す。
●異種で目を引く
同じ種類のものの中に、1つだけ違う形、色みを加えて目を引く。
同じものが同じピッチで並んでいることを「リピテーション」といいます。整然とした印象となり、横長の空間を飾るときに役立つ手法です。色違いや異種のものと組み合わせてアレンジすれば、動きが出て雰囲気が変わります。カップや本など身近なものを活用して実践してみましょう。
●基本のリピテーション
同じものを同じピッチで並べる。
●リピテーションをアレンジ
同種の色違いを同じピッチで並べる。
異種のものを合わせ同じピッチで並べる。
壁面にフレームを飾る場合は、目線の中心となるフォーカルポイントと中心ラインを決めます。フレームは、同じ素材のものを大中小のサイズでそろえ、まずはメインとなるものを中心に配置し、ラインに沿って上下に配置していくと、まとまります。慣れてきたら異素材のフレームをミックスすると個性的な雰囲気になります。また、小石をばらまいたように拡散させて配置すると、動きが出て楽しい雰囲気に。プレートやかご、ウォールステッカーなどを飾るときにおすすめです。
複数のフレームを飾る
目線の中心となる位置、ラインを決める。まずメインになるものを配置し、それを支えるようにしてサブ的なものを配置。さらにその他をサポートするようにまわりに配置していく。
プレートに動きを出して配置する
ある方向から小石をばらまいたようなイメージで、拡散させて配置すると動きがでる。
2016年12月現在の情報となります。