あかりは部屋を明るくするだけではなく、それぞれ暮らしのシーンにふさわしいあかりがあります。例えば勉強するときは白っぽい明るいあかりにすることで、手元が見やすく集中できたり、夜にくつろぐときは赤っぽい暗いあかりにすることでよりリラックスできます。人には心地よいと感じる、光の色と明るさのバランスがあります。
人間の生体リズムは日中に太陽光を浴びることで安定するといわれます。しかし、最近では、昼間でも屋内でゲームをしたり、夜遅くまで白く明るい光環境で過ごし、寝つきが悪く十分な睡眠がとれないという人が増えています。日中は明るいあかりのもとで過ごし、寝る前は暗めのあかりでリラックスするなど、照明を切り替えることで体のリズムを整えるサポートもできます。
勉強や読書などをするときは、明るく白い「昼光色」で手元をしっかり照らし、文字を読みやすく。
食事やくつろぎのときは、やや赤みを帯びた暖かみのある「電球色」でダイニングテーブルを照らす。
赤っぽく暖かみのある電球色から、明るくさわやかな昼光色まで。明るさと光の色を心地よいバランスで変えられるLED照明。スイッチと器具を取り替える簡単な工事で設置できます。
生活リズムの乱れは学習レベルの低下にもつながるといわれています。子ども部屋の照明も、起床や勉強、就寝など、シーンに合わせてあかりを切り替えることで、暮らしにメリハリが生まれます。
昼光色ですっきりと目覚める。
就寝前は明るさを絞った電球色に。
例えばリビング・ダイニングでは全体を照らす一灯照明の場合、食事のときもテレビを見るときも、同じあかりです。多灯照明にすれば、暮らしのシーンに応じてあかりを組み合わせて使え、必要なときに必要なあかりだけをつけることができ、省エネにもつながります。部屋の中心だけでなく、天井や壁を照らす間接照明や床など低い位置にも配置することで、くつろぎ感のある空間がつくれます。
例えば、白っぽい光は涼しく、赤っぽい光は暖かく感じるように、照明を変えるだけで、部屋の雰囲気はがらりと変わります。LEDの進化により、一つの器具であかりの明るさだけではなく色も変えられる照明も登場し、器具とスイッチを取り替えるだけの簡単な工事で設置することができます。また、器具本体を変えなくても、昼光色と電球色を切り替えられるLED電球もあります。あかりの質にこだわって、わが家を居心地よい空間にしましょう。
部屋を均一に明るくするのではなく、 あかりをほどよく分散させることで、 くつろぎ感のある空間になる。
だんらんのときはリビング全体を明るくし、ダイニング側の明るさは抑える。
- リビングのまわりのあかり
視線が向かう壁面や天井を照らして空間の明るさを確保。 - リビングの中心のあかり
家族が集いたくなる心地よいあかりを設置。 - ダイニングの中心のあかり
ダイニングテーブルを明るく照らすあかりを配置。
ダイニングテーブル、壁面や天井を照らすあかりをつけて、ダイニング全体を明るくする。リビング側のあかりも少し残すと空間に広がりを感じさせる。
空間全体を暗くし、画面の背面の壁を明るくすることで目の疲れを軽減。背面に照明がないときはスタンドライトで壁面を照らす。
夜眠る前やお酒を飲んだり、音楽を聴いてくつろぐときは、 リビング全体の明るさを抑え、低い位置のライトをメイン にして、あかりの重心を下げるとリラックスできる。
従来のLEDは赤い色や肌の色が自然光と比べあまりきれいに見えませんでしたが、最近では本来の色を再現し、料理や肌、インテリアなどが鮮やかに美しく見えるLED照明が登場。あかりの色みにもこだわることでより快適な空間になります。
教えていただいたのは…
パナソニック株式会社
インテリアライティングセンター(ILC)
栗山 幸子さん
商品企画や照明プランニングを経験し、国内外で積極的にセミナーも展開している、住まいにおける「あかりのプロ」。
2016年1月現在の情報となります。