人には快適と感じる光の色と明るさのバランスがあります。白っぽい光のときは明るくするとさわやかに感じ、勉強や作業に集中しやすくなり、赤っぽい光のときは明るさを抑えるとリラックスできます。また、昼は、太陽の光に近い白く明るい照明、夜は赤い暗めの照明のもとで過ごすことで、体のリズムを整えるサポートになります。
年齢を重ねるとまぶしさを感じやすく、また色の違いもわかりにくくなってきます。最近では器具の工夫でまぶしさを抑えて明るく、また色味を鮮やかに見せられるLED照明が登場しています。料理が美しく、肌色がきれいに見えれば、暮らしがさらに楽しく、いきいきとします。
勉強や読書などをするときは「昼光色」(写真右)、食事やくつろぎのときは「電球色」に。シーンに応じてあかりを切り替えて快適に。
洗顔やメイクなど身支度をする洗面室のあかりは、室内全体を明るく。ミラーライトには肌の色味がきれいに見えるあかりを設置。
まぶしさを抑えたダウンライトを配置し、やわらかな光に包まれたリビング。手元まで明るく照らし、影が出にくく目にもやさしい。
あかりを変えるだけでも、暮らしやすく、インテリアの見栄えがよくなります。簡単な工事や器具の取り替えだけでも変更は可能です。
LEDは白熱灯と比べ、電気代は約1/8、寿命は約20倍と経済的なあかりです。また、スイッチを入れた瞬間に100%の明るさとなり、ON・OFFを繰り返しても性能に影響はありません。光に紫外線や熱線をほとんど含まないので、絵や植物などを傷めないなどの特長があり、室内や屋外、さまざまな場所で、幅広い用途に対応できます。
従来のLEDは、まぶしさが強かったり、自然光と比べ、料理や肌の色が暗く黄色っぽく見えたりしました。しかし、器具の進化により、光の質がぐんとアップ。一つの照明で光の色と明るさを変えることもできます。リフォームでは、設備や家具を変えるだけでなく、照明を変えることも重要な要素で、部屋の雰囲気を大きく変えることができます。また、LED照明はLED電球のようにそのまま交換できるものと、発光部と電源が別で器具そのものを交換するものがあります。目的に合わせて選び分けましょう。
蛍光灯や白熱灯から、LEDに切り替える際は、シーリングライトの場合は一般的に器具を取り替えるだけでOK。ペンダントライトも調光タイプの場合はスイッチの取り替えが必要ですが、複雑な配線工事は不要です。また、既存の照明器具の電球をLED電球に変えるだけで、電球色、昼光色に変えられるものもあります。LEDの寿命は約10年。器具自体も劣化していくので、8~10年で、点検・交換を。
「点」で照らすため、まぶしく感じやすかった従来のLED照明。「面」で照らす器具を取りつけることで光を均一に広げ、まぶしさを抑えながらも明るく照らすLED照明を実現。
パナソニック「パネルミナ」LEDならではの薄型のペンダントライト。
導光板(左)
LEDの光を面全体に行き渡らせるよう光学設計。
拡散パネル(右)
仕上げを工夫することで、均一に面発光させながら明るさもアップ。
コントローラーで、明るくすると白い光になり、明るさを絞ると赤い色の光に。一つの照明を人が快適と感じる光の色と明るさに、心地よいバランスで変化させることができます。
従来のLEDは赤みや肌の色などの見え方が自然光と差異がありました。黄みを抑え赤みをより鮮やかに見せるLED照明が登場し、人の肌、料理、インテリアもきれいに見せます。
ひとつの電源で複数のあかりが設置できるインテリアダクト。工事不要で取りつけ可能。複数のペンダントライトでカフェのような雰囲気もつくれます。
教えていただいたのは…
パナソニック株式会社
インテリアライティングセンター(ILC)
栗山 幸子さん
商品企画や照明プランニングを経験し、国内外で積極的にセミナーも展開している、住まいにおける「あかりのプロ」。
2016年7月現在の情報となります。