厚生労働省による、2005年度国民医療費の状況によると、国民医療費の総額は前年度から3.2%増加の33兆1289億円(1兆178億円増)で、国民1人当たりの医療費は25万9300円(前年度比3.1%増)となった。
財源は保険料が16兆2893億円、公費が12兆610億円。構成割合は保険料が49.2%(0.6%減)公費が36.4%(0.7%増)となり、保険料の割合が減少するなかで公費割合が年々増加している。
制度区分別では、医療保険等給付分が15兆5377億円(前年比7863億円増)、老人保険給付分は10兆6353億円(623億円増)、公費負担医療給付分は2兆1987億円(316億円増)となった。
年齢階級別では65歳以上が全体の51.0%を占め、1人当たりの医療費は65歳未満の4.1倍にあたる。医療費は、65歳以上が65万5700円で、65歳未満の医療費は15万9200円だった。
この傾向は年齢が上がるにつれて顕著で、特に75歳以上の後期高齢者では81万9100円で、15歳~44歳の10万3500円の実に7.9倍にも上った。
また、一般診療医療費の構成割合は75.4%、歯科診療医療費が7.8%で、薬局調剤が13.8%と伸び医薬分業の進展で増加している。傷病分類別では、65歳未満は循環器系の疾患と新生物、呼吸器系疾患がほぼ横並びだが、65歳以上は循環器系の疾患が30.1%と高くなっている。