厚生労働省は、4月から特別養護老人ホーム(特養)の介護職員による、「たん吸引」と「経管栄養」の二つの医行為を解禁した。医師や看護士以外にこうした医行為を認めたのは、夜間などの緊急時に対応せざるを得ない実態から。
しかし、ミス発生時の責任問題などへの懸念から、同省では法制化の必要性を判断。来年の通常国会での関連法案提出を目指している。この法制化にあたっては、在宅介護の充実を図るためにも、ホームヘルパーによる在宅介護やグループホームなどへ対象施設の拡大が可能か検討。また、口腔内に限定されているたん吸引の条件緩和も課題としている。
同省は、関係者の理解を求めると同時に、4月以降のこれらの医行為の実施状況を分析した上で、最終判断していく方針。