全国の公立学校で耐震工事が進められていることを踏まえ、厚生労働省では、全国の医療機関や介護施設などといった所管施設の耐震強度について、実態調査に乗り出すことを決めた。調査結果をまとめた上で、耐震工事の支援策を検討する見通し。
病院や診療所のほかに、特別養護老人ホームなどの介護施設や障がい者施設などが調査対象。1981年の建築基準法施行令改正で新耐震基準が設けられたものの、新基準後に建てられた施設でも、構造によっては地震に弱い可能性もある。そのため、各施設の耐震診断などを実施し、強度把握に努める。ただし、調査に時間がかかることも考えられ、入院患者や入所者らへ配慮した措置が求められる。
さらに、スプリンクラーの設置状況も調査。設置義務基準は施設の種類ごとに定められているが、調査結果次第では補助対象の拡大なども検討課題となる見込みだ。