厚生労働省は、8月の社会保障審議会介護保険部会において、現行10時間未満の預かり時間となっているデイサービスを大幅に延長する原案を提示。デイサービスセンターの宿泊サービスを制度化する方針を打ち出した。次年度の概算要求に800床分100億円を盛り込み、介護保険制度化に向けた検討も進めていく。
今回の案は、通いのデイサービス・泊まりのショートステイと分化していた機能をデイサービスで一元化し、高齢者が慣れた施設やスタッフによる宿泊サービスを受けることができるようにすることが狙い。なお、ショートステイについては従来通り利用可能とする。
これを受け、日本医師医会の三上裕司常任理事は、「通所介護で緊急宿泊を行うのは、介護の質の確保のために厳しい施設基準を求める必要があり、機能上も効率上も無理がある」と指摘した。しかしながら、「在宅、中重度者へのレスパイトケアの拡充は大いに必要」として、「今ある病院、有床診療所、老人保健施設など医療機能を持つ施設でのショートステイ、短期入所、療養介護をもっと柔軟に使うべき」と主張した。
さらに、問題なのは現在の介護保険のショートステイが予約制で、緊急時対応ができないことだとし、「その部分を使いやすくするためにも、緊急ショートステイを検討するべき」との見解を示した。