国土交通省は、首都圏直下型地震など将来の大規模地震に備え、2012年度から既設のエレベーターの安全対策を強化する。
同省では、09年9月に建築基準法施行令を改正。新設のエレベーターには(1)ドアが開いたまま動くのを防ぐ装置(2)地震発生初期の微振動(P波)を感知し、本震(S波)が到達する前に最寄の階で停止する装置(3)主要機器の耐震補強装置の設置を義務付けた。その一方、約70万台ある既設のエレベーターに関しては改修費が高額などの理由で対策が進んでいない。首都圏直下型地震では、1万人以上がエレベーターに閉じ込められるとの想定もあるため、対策を急ぐことにした。
補助対象は、病院や分譲マンションといったバリアフリー法が定める特定建築物のうち、耐火建築物などの条件を満たす建築物。新設のエレベーターに義務付けている3つの装置を、1台当たり400万円以下で設置する事業者の公募を開始した。改修費の3分の1を助成する。