新居を建てる際に知っておきたいのが、庭木やインテリアグリーンなど植物の力を活用することです。植物が私たちに与える効果には、大きく分けて二つあります。
一つは「環境への効果」です。例えば、夏場に都心部で問題になるヒートアイランド現象を抑えることができます。大和ハウスグループの調査では、壁面緑化を施した壁面は外壁面に比べて約4.9℃も温度が下がることが分かりました※。さらに、空気をきれいにするなどの効果も生まれます。各家庭で自宅の緑化に取り組めば、環境問題の改善に貢献できるでしょう。
もう一つは「人に与える効果」です。ストレスを緩和してリラックスさせたり、疲れを軽減したりする効果が見られます( 詳しくは下部参照)。
植物を住まいに上手に取り入れるには、敷地のレイアウトや間取りを考える際に、あらかじめ植物の居場所を計画すること。ダイワハウスでは、住まい手のニーズに合わせ、植物を上手に活用できる住まいをご提案します。
※実験日/2014年7月24日(気象データ:大阪府、気温35.1℃、湿度38%、晴れ時々くもり)
植物が人にもたらす
うれしい効果
ストレスを減らす
植物にはストレス軽減効果があります。ある研究で、ストレスを感じると分泌されるホルモン物質コルチゾールの量を計測したところ、植物が有る状態の方が無い状態よりも約67%も軽減しました。また、その効果は20分後も継続しました。植物が視界に入ると精神疲労や緊張感が低減し、心や体の疲労回復を促進する効果が期待できるともいわれています。
※コルチゾールとはストレスを感じると分泌されるホルモン物質のこと。
出典:岩崎寛他 「屋内空間における植物ストレス緩和効果に関する実験」
目の疲れを和らげる
パソコンやスマートフォンで目が疲れがちな人は、植物をそばに置くのがおすすめです。作業中に植物を見ることで視覚疲労が緩和します。作業後に見ることでも視覚疲労が回復するというデータもあります。
■植物による視覚疲労変動率
出典:仁科弘重他「観葉植物を見ることがVDT作業に伴う視覚疲労に及ぼす影響」
リラックスさせる
生理的、心理的な負担を和らげるためにも植物が効果的。無機物を見た時よりも、植物の葉と花を見た時の方がα波の総量が増えることが分かっています。オフィスや勉強部屋などに植物を取り入れると、リラックスやリフレッシュの効果が期待できます。
■植物によるリラックス感向上(α波総量)
出典:中村隆治ら日本造園学会「植物(ゼラニウム及びベゴニア)を見たときの脳波特性, 特にα波の量と周波数について」
湿度を調整する
人が快適に過ごせる湿度は約40~60%。湿度が低すぎるとインフルエンザなどのウイルスが活動しやすくなったり、肌やのどのトラブルを起こしやすくなったりします。室内に植物を置けば、葉の蒸散作用によって、湿度を上げることが可能です。
イメージ
大和ハウスグループ全体で
環境保全や緑化に取り組んでいます
大和ハウスグループでは、商業ビルやオフィスビルをはじめとする建築物の壁面緑化や屋上緑化などの都市緑化技術を開発し、事業化。先進的な技術によって都市環境の緑化に貢献します。このほかにも、グループ全体で緑化への取り組みを行っています。
アドバイス
大和ハウス工業株式会社
環境部 環境経営推進グループ
西部 洋晴
2020年3月現在の情報となります。