「憧れのインテリアをカタチにしたい!でもどうすればいいの…?」
シンプルなモダン系からデコラティブなエレガント系まで、インテリアのテイストは実にさまざま。
細かな違いがわからない人も多いはず。
理想のインテリア選びは、まず自分の好きなスタイルを知ることから始めましょう。
ダイワハウスの Interior Design Mapはこちら
これまでさまざまなテイストのインテリアを紹介してきましたが、今回のテーマは「自分流」。世界中から厳選した多様なアイテムで独自のスタイルを確立し、イギリス、フランス、日本の6都市10店舗で展開するTHE CONRAN SHOP(ザ・コンランショップ)の静谷統由さんにお話を伺いました。
アドバイス
自由なスタイルのベースにある、「本物志向」
世界中から厳選したアイテムに加え、オリジナルアイテムを揃え、枠にとらわれないスタイルを提案しているTHE CONRAN SHOP。自由で遊び心のあるコーディネートが特徴ですが、「なんでもあり」というわけではなく、根底にあるのは「本物志向」。その姿勢は、同社が掲げる「PLAIN」「SIMPLE」「USEFUL」という3つのキーワードに表れています。
「PLAIN」は、ありのままの素材であること。例えば、木は人工木材でなく無垢材を、ファブリックは化学繊維でなく綿やシルクなどの天然素材を。「無垢の素材を使った家具は、時の経過とともに味わいが増し、キズやシミですらも、家族が暮らしてきた軌跡として楽しむことができるでしょう」(静谷さん)。
枠にとらわれない独創的なコーディネート
「SIMPLE」は、過度な装飾を加えないということ。「デザインしすぎると、素材が持つ本来の良さを損ないかねない」との考えから、シンプルな形状のアイテムが中心となっています。「USEFUL」は、機能的、実用的であること。使っていて心地良いと感じるアイテムが、人々に豊かな時間をもたらしてくれるという考えです。こうしたキーワードをベースに、以降で紹介するようなポイントを参考にしながら、自分ならではのオリジナルな空間を作っていきましょう。
自分流のインテリアを実現するためのポイント
効果的な色使いで、
世界でひとつの空間に
インテリアにおける色使いは、住む人の個性や遊び心を表現する要素となります。家具やファブリック、アクセサリーなどに差し色を積極的に取り入れ、「自分流」を存分に発揮してください。トレンドや季節に合わせて色を変えてみるのも、暮らしに変化を与えてくれることでしょう。
差し色を効果的に使う際に、大きなアクセントとなるのが「アート」。「お気に入りのアートを一枚かざるだけで、どこにでもある白い壁が、世界でひとつしかない自分の壁に生まれ変わります。写真でも抽象画でもいいので、ぜひインテリアにアートを取り入れてみてください」(静谷さん)。 さらには、壁面塗装やアクセントクロスで、壁一面を大胆に色付けするのもおすすめ。住宅のリノベーションが一般的になり、自らの手で容易に壁面を加工できるグッズも増えてきましたので、思い切ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
オリジナルな空間を演出する特徴的な色使い
ブランドや形は統一しなくてもOK
インテリアを作っていく際、同じブランドや同じ形状のアイテムで統一したくなるものですが、自分流のインテリアに、そうした固定観念は必要ありません。例えば、全く同じダイニングチェアを揃えるのではなく、自分が好きだと思うものを自由に置いてみましょう。その際、形が均一でない場合は色を統一する、あるいは色が均一でない場合は形を統一する、などのテクニックがあります。そうすることで空間の調和が保ちやすく、インテリアに「リズム」が生まれます。色や形状を統一しなくても、自分が好きかどうかを基準に選択すれば、おのずとバランスのとれた心地良い空間になることでしょう。迷ったときは、インテリアショップのスタッフなど専門家からヒントを得ながら、自分なりの調和ある空間を探っていきましょう。
多彩なチェアが並べられたダイニング
観葉植物で空間に潤いを
インテリアを彩るうえで、大きな役割を担うのが観葉植物。人工樹木や造花ではなく、生命力あふれる本物のグリーンや花を置くことで、潤いのある生き生きとした空間になります。植物を入れる鉢のデザインも多様化しており、インテリアを構成する重要なアイテムのひとつとなっています。
生き生きとした植物で彩られた空間
ダイワハウス王子住宅展示場
ますます高まるインテリアの「自由度」
近年、ライフスタイルや価値観の多様化にともない、インテリアの自由度も高まっており、これまであまり一般的でなかったコーディネートがいくつも登場しています。例えば、ヴィンテージ品と新品のミックス。モダンな空間の中に、籐張りのチェアなど、どこか懐かしさを感じるアイテムを取り入れるスタイルです。「ラグの複数枚使い」も最近のトレンドで、シンプルなラグの上にキリム(伝統的な平織りで作られた、幾何学的な模様が特徴的なじゅうたん)を重ねるといったコーディネートも。照明についても、デザインが異なる複数のペンダントライトを、ひとつの空間の中で組み合わせて使うといった新しいスタイルが見られるようになりました。
ラグの複数枚使いは最近のトレンド
また、THE CONRAN SHOPでは2018年の夏、アウトドア家具を室内で使用したり、逆にダイニングチェアなどをテラスに持ち出して食事をしたりする「IN AND OUT」というテーマで展示を行いました。リビングとダイニングの一体化も進んでおり、「空間の境界をなくす」という傾向が一段と強まっているようです。
アウトドア用の折りたたみチェアと組み立て式デイベッドをリビングで使用
もっと真剣に、そして楽しくインテリアと向き合おう
「自分流のインテリア」といっても、どこから手をつけてよいか分からない方も多いかもしれません。そんなときは、テーブルでもチェアでも、ひとつ気に入ったアイテムを見つけて、それを起点にコーディネートしていくのがおすすめ。また、料理が好きな方ならキッチンから固めていくなど、自分のライフスタイルに合わせてインテリアを作っていくのもひとつの方法です。
インテリアを作るうえで何よりも大切なのが、ひとつひとつのアイテムを真剣に選ぶ、ということ。妥協せずに選んだアイテムが、末永く続く心地良い暮らしをもたらしてくれることでしょう。そして、誰かから与えられたり、選んでもらったりするのではなく、自らの意志で選ぶという行為が、審美眼やセンスを磨くことにつながります。自分の感性を信じて、さまざまなことにチャレンジし、自分流のインテリア作りを楽しんでください。
自分の意志で真剣に選んだアイテムが、心地良い暮らしにつながります
まとめ
自分流のインテリアに、細かなルールは必要ありません。自分が好きなアイテムを揃え、自分好みの色使いで、自分にとって心地良い空間を実現していきましょう。その際、「PLAIN」「SIMPLE」「USEFUL」というキーワードを頭の片隅に入れておくと、アイテムが選びやすくなるかもしれませんね。
画像提供:THE CONRAN SHOP