暖かい空気は水分を多く含むことができますが、冷たい空気は少ししか含むことができません。そのため水分を多く含んだ空気が冷えると、含みきれなくなった水分が水滴となって現れます。これが「結露」です。身近には、冷たい水を入れたコップの表面に水滴がついたり、寒い日にガラスが曇ったりする現象があります。
結露はカビやダニの発生原因となり、健康面だけでなく、構造材の腐朽を招いて建物の耐久性を損なうことにもつながります。
結露の原因となる水分を含んだ空気、つまり水蒸気は、加湿器や室内干しの洗濯物、調理時のキッチン、入浴時の浴室ほか、人やペットの呼吸、観葉植物など、暮らしの中のさまざまな場所で発生します。
換気をする
高気密・高断熱の最近の住まいでは、すきま風がなく、冷暖房効果もアップしている反面、室内に湿気がこもり、結露が起こりやすくなっています。こまめな換気を心掛けましょう。
◎キッチン
調理中だけでなく、調理後もしばらく換気扇を回し、水蒸気を追い出します。
◎浴室
入浴後はドアを閉めて、換気扇を回しましょう。冷たいシャワーを浴室全体にかけて、室内の温度を下げてから換気を行うとさらに効果的です。浴槽のお湯をためたままにする場合は、必ずふたを閉めておきましょう。
◎寝室
睡眠中の人の呼吸などから、一晩で1人200cc程度の水蒸気が発生。寝る前にしっかり換気を行い、エアコンで室内を暖めておくことで、外気温度が低下する明け方に発生する結露を減らせます。また、朝になったら、窓を開けて換気を行いましょう。
空気を循環させて冷気をためない
部屋をいくら暖めても、窓やサッシが外の空気の影響で冷えたままだと、結露が発生する場合も。サーキュレーターや扇風機を活用して、部屋全体に暖かい空気を循環させ、冷えた空気を停滞させないようにしましょう。また、家具は壁にぴったりつけないで、2cm程度のすき間をあけて、空気の通り道をつくるようにしましょう。
住まい全体を暖める
水蒸気は空気中に拡散し、家の中で均一になろうとする性質があります。温度の高い部屋で発生した水蒸気が温度の低い部屋に移動すると、結露の原因に。使っていない部屋も定期的に窓を開けて換気し、日中はカーテンを開けて日差しを取り込むなどして暖めましょう。
湿度を適度に保つ
結露対策を考えると、部屋の最適な湿度は40~60%。湿度が高いと結露やカビが発生しやすく、湿度が低く乾燥していると風邪をひきやすくなります。温湿度計を活用し、加湿器の使用の際も適度な湿度を保つようにしましょう。
●24時間換気システム
24時間換気システムは、室内の空気を常にきれいに保つために、住まい全体の空気を一定周期で換気。冬場は寒いからと止めていると、湿気がこもり、結露の発生の原因となる場合があります。必ず稼働させましょう。
●押し入れ
物をいっぱい詰め込んだ押し入れは、湿気がこもりやすくなります。床にはすのこを敷き、壁から少し離して上まで積み上げないように収納し、空気の通り道をつくります。時々、開け放し、風を通しましょう。
●シューズボックス
玄関も湿気がたまりやすい場所。シューズボックスは、定期的に開け放して空気を入れ換えましょう。また、汗で蒸れたブーツなどは、乾かしてからしまいましょう。
2017年11月現在の情報となります。