区画整理地の土地活用 一部を売却し賃貸住宅を建設
公開日:2017/09/20
今回は、駅に近い土地区画整理地に賃貸住宅を建築した実例です。建築資金の一部をある方法で充当、さらに入居率を高めるためのさまざまな工夫についても取材しました。
相続対策として2棟目の賃貸住宅経営を選択
奈良県奈良市。JR奈良駅から徒歩10分、再開発が進む土地区画整理地に今回の実例「Kojika」があります。
敷地面積およそ300坪。3階建て、3LDKを中心に12世帯が入居できる賃貸住宅です。以前は田んぼで、区画整理によって宅地になっていました。
このプロジェクトの責任者、大和ハウス工業奈良支店集合住宅営業所営業課主任の大河俊介は、オーナー様が賃貸住宅経営に転用したきっかけを、次のように説明します。
「区画整理事業によって田んぼから宅地に変わったことで固定資産税がかかるようになり、その対策ということが一つありました。実は、この区画整理地内には以前にも1カ所、賃貸住宅を建てていただいており、そのときはお母様の相続対策でした。今回はご子息様の将来の相続対策として2棟目を建てていただくことになりました」
さまざまな土地活用法がある中で、オーナー様はなぜ今回も賃貸住宅経営を選択されたのでしょうか。
大河によれば、賃貸住宅だけでなく、当初は介護施設の「建て貸し」などもご提案したといいます。しかし、区画整理事業の対象となったことで道路が整備され、当初に比べて家賃相場もどんどん上昇していったことから、「賃貸住宅のほうが、収益性が高い」との判断に至ったということです。
広大な土地の一部を売却して建築費用を捻出、特色ある物件を実現
隣にはダイワハウスの戸建て住宅が4棟、実はこちらも以前はオーナー様の土地でした。
「500坪の広大な土地ですから、そこに建設するとなると非常に建築規模も大きくなり、投資額も大きくなります。そこで、一部を売却して、その資金を建築費用に充てたいとのご希望があり、その土地を大和ハウス工業のほうで買わせていただくという形をとりました」(大河)
課題はもう一つ。周辺には賃貸住宅が増えており、オーナー様はそれらと競合しない提案を望まれていました。
そこで、周りにはないような3LDKの82m²の大きな間取りをご提案しました。また、敷地も広いことから「ゆったりとした空間」をつくってほしいとのご要望もあり、それらに沿ったプランニングを行っていきました。
設計を担当した大和ハウス工業奈良支店集合住宅営業所設計課主任の玉井裕子は、オーナー様が希望される「ゆとり」をどのように取り入れたのでしょうか。
「各エントランスの延長に中庭を配置しました。帰宅されたときに少しほっとしていただけるような癒しの空間というものを心がけました」
他にも二面道路の敷地特性を活かして、エントランスを3カ所に配置、外観はバルコニーに複数の素材を使うなど、個性的な演出を施しました。
また、管理は大和リビングが担当。アフターフォローに力を入れており、大和リビング奈良支店営業の中辻隆太は次のように語ります。
「インフォメーションセンターを設置し、24時間、入居者様のお声に対応できる形になっており、迅速な対応で安心感をいただいています」
対応力・技術力に優れた3階建て賃貸住宅「セジュールオッツ」
区画整理地の宅地を賃貸住宅へ転用した今回の土地活用。税務面でのメリットについて、P&P税理士法人代表社員税理士瀨戸口秀隆先生にお話を伺いました。
「宅地のままですと、通常の固定資産税がかかって大きな負担となります。しかし、賃貸住宅を建てることで固定資産税評価額が建築費の約50%とかなり軽減されます。また、初期投資である建物の減価償却費などを大きな必要経費として毎年計上することができるのも賃貸住宅経営のメリットです。さらに、相続税の評価においても、賃貸住宅は『貸家建付地』ということで、土地評価額が約15~21%ほど下がるため、将来的にも節税対策となります」
オーナー様のニーズに応え、個性的な賃貸住宅に仕上がった「Kojika」。しかし、大河の仕事はまだ続きます。
「信頼を裏切らないように。これから経営が始まりますので、賃貸住宅経営が今後もずっとうまくいくよう、オーナー様のお力になれたらと思っています」
今回のように所有する土地が広い場合、一部を売却し、賃貸住宅の建築資金にすることも一つの手段といえるでしょう。
立地特性を考慮することが成功する土地活用の第一歩です。詳しくは大和ハウス工業へご相談ください。
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