[土地活用ラボニュース 江坂編]駐車場事業を「選ばれる賃貸住宅経営」に転換
公開日:2017/03/31
毎年行われる資産課税関係の税制改正や日銀の金利政策の影響などによって、所有地の活用方法を見直すオーナー様が増えています。
中でも税務効果が高いとされているのが、賃貸住宅経営です。入居率を高め、選ばれる賃貸住宅にするにはどうすればいいのか。さまざまな工夫で注目を集める実例を取材しました。
資産継承で苦労された経験から土地活用を選択
今回の事例「ルリエ江坂」は、大阪・梅田から電車でおよそ10分の吹田市江坂にあります。利便性が高く、緑にも囲まれていることから、住みたい街ランキングに何度も掲載されています。ご紹介する物件は、敷地面積が208坪あり、3階建ての1LDK・23室の賃貸住宅です。
以前は駐車場でしたが、数年前、オーナー様の夫が亡くなられた際に、相続税を含めた資産継承で非常に苦労されたという経験から、オーナー様の相続では子どもたちに同じような思いをさせたくないという思いで、今回のプロジェクトがスタートしました。
プロジェクトの責任者である大和ハウス工業北摂支店集合住宅営業所主任*の角田は、倉庫や店舗といった土地活用の選択肢がある中で、立地条件を考慮し賃貸住宅での活用を提案しました。
近隣の物件にはない間取りと癒やしの空間を実現
プランの作成を任された角田は、「孫の代になっても喜んで入居していただけるような、長く満室が続く賃貸住宅を作ってほしい」というオーナー様からの要望を実現するために、入居促進や管理を担当する大和リビング北摂営業所*の黒岡に調査を依頼し、まずは市場調査を実施しました。将来にわたって入居率を高めるため、地域の人口動態や近隣にある賃貸住宅の実態を調べました。
調査の結果、単身者もしくは子どものいない夫妻をメインターゲットに設定しました。周辺の単身者向け賃貸住宅は、リビングと洋室が一本につながった細長い間取りのものが多かったため、吹田市の単身者向け共同住宅基準の上限である37m2まで使い、リビングの横に洋室を配置するなど、近隣の賃貸住宅にはない余裕のある間取りを提案しました。
さらに、「落ち着きのある快適な暮らしの提供」を設計のコンセプトに据え、3階建てでありながらエレベーターを設置し、デザイン性にもこだわりました。エントランスの先にあるゆとりのある中庭は、ご入居者が自宅に帰ったときに癒やしを感じていただけるような設計にしました。また、敷地内のいろいろなところに石を使い、気分が少しでも和らぐように工夫しました。
賃貸住宅経営における税務面でのさまざまなメリット
駐車場から賃貸住宅に転換するにあたって、税務面を支援しているP&P税理士法人代表社員税理士、瀬戸口秀隆先生から、そのメリットについて説明していただきました。
「駐車場にすると固定資産税がかかりますが、賃貸住宅の場合は、固定資産税・都市計画税の軽減措置があります。不動産所得の必要経費も、駐車場経営では固定資産税に限定されますが、賃貸住宅経営では減価償却費など、さまざまな必要経費が毎年認められています。また、相続税でも、駐車場は更地扱いになりますが、賃貸住宅は「貸家建付地」となり、評価額が下がります。」
契約に至るまでの約1年、角田はオーナー様と何度も打ち合わせを重ねてきました。
完成後、オーナー様からは「自分が住みたい。できたらいつか孫にも住んでもらいたい」とうれしい評価をいただくことができました。
長く価値ある資産にするためには、立地特性を考慮しつつ、他にはない賃貸住宅づくりが必要です。
成功する土地活用の秘訣は大和ハウス工業へご相談ください。
※所属・役職は取材当時(2017年)のものです