形や色、香りなどさまざまな魅力をもつ花。
暮らしの中に取り入れるだけで、私たちの気分を変えてくれます。
今回はリビングに花を飾るポイントを、
未生流(みしょうりゅう)中山文甫(ぶんぽ)会・会長の中山高甫(こうほ)先生に伺いました。
リビングテーブル
住まいの中心を上品に彩る
家族みんなが集まるリビングには、大きく華やかで、360度どこから見ても美しい花を飾りましょう。ネリネやクリスティンバンダなど紫色の花を用い、ラグなどと色合いを合わせることで、リビングに統一感をもたせることができます。かわいい黄色の実を付けているのはフォックスフェイス。秋らしい鮮やかな黄色は紫と補色※の関係にあるため、インパクトのある印象でリビングの良いアクセントになります。
※色相が反対の色のこと
花材の種類
- フォックスフェイス
- コルディリネ
- ネリネ
- クリスティンバンダ
- ブルーファンタジー
テレビボード
シンプルでも存在感をもたせて
よく目に留まるテレビ横の空間には小ぶりなサイズの花を。主材となるプロテアからいけ始めるのがおすすめです。プロテアなど茎が太くて硬い植物は、はさみの刃を斜め45度に当てると切りやすくなります。小さく細かいエリンジュームや、針山のような特徴的な形のピンクッションなど、異なる要素をもつ花同士を組み合わせるとお互いが引き立ちます。
花材の種類
- プロテア
- エリンジューム
- ドラセナ・ゴットセフィアナ
- ピンクッション
飾り棚
遊び心をくすぐる一輪挿し
ポップなガラスの花器とカラフルなガーベラを組み合わせて、リビングの一角をかわいく飾ります。一輪挿しでも、利休草を自由にアレンジすることで動きを出すことができます。うまく形が決まらない時は針金を使いましょう。ガーベラの茎に通したり、利休草を巻き付けたりして固定することができます。同シリーズの花器が複数あれば、並べるだけでも様になるので、子どもと一緒に楽しみながら飾るのも良いかもしれません。
花材の種類
- ガーベラ
- 利休草
お花豆知識
花をいける前に準備すること
花材や花器、はさみなど必要な用具を一式並べてから始めます。傷んでいる葉や密集している葉、水に漬かる部分の葉は取り除いておきます。いけながら整えることもできるので、間引きすぎないようにしましょう。花器にはあらかじめ剣山が隠れるくらいの水を入れておきます。花びんを使う場合は6~8分目が目安です。
初心者の味方、剣山
いろいろな花材をバランス良く配置するためには剣山が便利です。ハードルが高そうに見えますが、使い方は剣山の針に対して花材をまっすぐ挿し込むだけ。その後に好みの方向へ傾けましょう。剣山に花材を挿す時は、切り口が草花は平らに、枝ものは斜めになるよう切っておきます。硬いものは切り込みを入れておくと扱いやすくなります。
アドバイス
中山 高甫先生 (なかやま こうほ)
「現代(いま)に生きるいけばな」を模索する流派、未生流中山文甫会の三代目会長。書や陶芸、音楽など異分野とのコラボレーションにも積極的に取り組んでいる。(公財)日本いけばな芸術協会 常任理事
撮影場所:ダイワハウス花博xevoΣ展示場
2020年10月現在の情報となります。