初めまして。今回より寄稿を担当することになった石角友愛(いしずみともえ)と申します。
シリコンバレーに本社を持つAIビジネスデザインカンパニーである
パロアルトインサイトのCEOをしています。
私が現在住んでいるのはカリフォルニア州のシリコンバレー、サンフランシスコ郊外です。
住宅街にある普通の一軒家に住み、7歳の娘と2歳の息子がいます。
足りない鍵と、誰もいない時間帯
以前より、鍵の共有に関して大きな問題が二つありました。私の母や義母が泊まりに来たときに鍵が足りないこと、そしてベビーシッターや家の清掃を頼んでいるハウスクリーニングサービスの業者が来る時間帯に誰もいないことです。
合鍵を作ることも考えたのですが、それでは家を出入りする人が増えるたびに作らなければならない、ということでスマートロックを導入しました。結論から言うと、『もっと早く買えばよかった』と感じています。特に小さいお子さんがいる家庭にお勧めします。
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スマートロックの取り付け方
今回ご紹介するのは、スマートホーム関連の商品を多く手がける鍵メーカー傘下のスマートロックです。
※今回ご紹介するスマートロックは一例です。商品により性能・機能が異なります。
以下、装着の手順です。
1. まず、ドアの内側のカギを外す
2. 付属のプレートをはめ込む
3. アダプターをはめ込む
4. スマートロックをプレートの上に付ける
1~4の工程で作業時間は30分以内というところです。必要な工具はネジまわしのみです。そしてキーパッドを表につけたら完成です(ドライバーで穴をあけてつけました)。テープなどで簡単に装着できるスマートロックもあるようですが、ずれてしまうことを考えるときちんと付けた方が良いのではないかと思います。次に、アプリをスマートフォンにダウンロードします。
アプリにより遠隔操作での開閉が出来るし、どこにいても誰が出入りしているかがスマートフォンを通してリアルタイムで見えるようになりました。
リスクを超えてさまざまな問題を解決
スマートロックについて、気に入った点を以下に挙げます。
キーパッドがついているため、スマートフォンユーザーでない人も鍵がなくても暗号を入れれば鍵が開く。
私の義母は機械があまり得意ではなく、スマートフォンアプリダウンロードなどは適していません。そこで義母には義母専用のキーコードを与えることで解決。しかも義母滞在期間(例:2018年2月1日から20日まで、朝8時〜20時まで)のみそのキーコードは使えるので、万が一キーコードが流出しても色々な意味で安心です 。(コードはいつでも変更可能)
もう一人、スマートフォンユーザーでない人が家の清掃をしてくれる業者の方です。定期的に家に来て、掃除を頼んでいるのですが、来るのは平日の午前10時など、殆ど私が家にいない時間です。そこで、この業者専用のキーコードを作り、来る時間帯(例:毎週水曜日午前10時から14時)のみ有効と設定しました。これで業者の人が清掃以外の時間帯にもし家に入ろうと試みても不可能になります。
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自動開閉機能
世の中にはスマートロックが色々出て来ていますが、スマートフォンで開ける、閉めるなどの操作をしなくても鍵を自動開閉してくれる機能があるスマートロックは限られているように見受けられます。今回紹介したスマートロックは、ロックの持ち主(これも設定できる)が家に近づいて来たら、自動的にそれをWi-Fiネットワークから検知して、鍵を開けておいてくれます。
ですので、右手に荷物、左手に息子を抱きかかえながら家に入る時、今まではいちいち息子を立たせて荷物を置いて、カバンの中から鍵を探して開けていたのですが、その一連の作業が一切省け、ドアを開けるだけになったことは本当に大きな変化でした。もう一つ、私がランニングに行く時も音楽を聴くためのスマートフォンだけ持って行けばよくなったので軽量だし、家に帰ってきたときにスマートフォンを取り出さなくても鍵が開いているので非常に楽です。(ドアから数メートル以内で作動するので持ち主が気がつかないうちに他人がドアを開けてしまう心配もありません)
Amazonエコーと連動している。
我が家では半年ほど前にAmazonエコーを導入し、最早導入以前の生活が考えられなくなるほどまで生活の一部になっています。一部のスマートロックはAmazonエコーと連動出来るので、例えばドアから離れたところにいて、スマートフォンは充電ステーションで充電中の時でも、お客さまが来たときAmazonエコーに『鍵を開けて 』と言えば、即座に鍵が開きます。
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ベビーシッターさんなど定期的に家に来るスマートフォンユーザーにはアプリをダウンロードしておいてもらい、家の出入りを遠隔でチェックできる
ほぼ毎週来てもらっているベビーシッターさんにはアプリをダウンロードしてもらいます。そうするとベビーシッターさんが息子を連れて外に出た、家に帰って来た、というようなドアの開閉の動きが遠隔でリアルタイムで見れるので安心です。家の中にはカメラも勿論搭載していますが、ずっとカメラを見ているのは大変。でもドアの開閉だけだったら分かりやすくて、いいと思います。
と、ここまで良い点をあげてきましたが、勿論留意点もあります。鍵穴が二つある家で、そのうちの一つにしかスマートロックをかけていない場合、ついていない方で鍵をかけた状態で家を出てしまうと、当たり前ですがスマートロックだけでは家に入れなくなります。実は数日前、近所の公園に行く際、スマートフォンだけ持って行ったらどうやら息子がスマートロックのついていない鍵をかけてしまっていたようで、帰って来たときに鍵が開かずに大変な目にあいました。そのような問題を避けるには万が一のために鍵を持ち歩いた方が良いのかもしれません 。
スマートロックがもたらした利便性がリスクを超えていると感じますのでこれからも使います。また、家に業者の方やお客さまが来たときに必ず『あ、スマートロック使ってるね、どう?』と聞かれるので周りの人の関心の高さも伺え、今後更に利用者は増えるのではないかと思います。
パロアルトインサイトCEO・AIビジネスデザイナー
石角友愛さん Tomoe Ishizumi
パロアルトインサイトCEO 兼 AIビジネスデザイナー。
2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのGoogle本社で多数のAIプロジェクトをリードする。後にHRテックベンチャーの立ち上げや流通系AIベンチャーを経て2017年パロアルトインサイトを起業。日本企業に対してシリコンバレー発のAI戦略提案からAI実装まで一貫した支援を提供する。新著に「いまこそ知りたいAIビジネス」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)があり、プログラミング教育、ギフテッド教育、留学などについての出版も5冊あり。
現在、AI&ビジネス、シリコンバレーとIT企業、新しい働き方、女性の社会進出論などでの言論活動を積極的に行う。毎日新聞「経済観測」コラムニストであり、日経クロストレンドコメンテーター、日経xwoman(クロスウーマン)アンバサダー、NewsPicksのプロピッカーなども務め、ビジネスインサイダージャパンとマネー現代で寄稿連載中。
※2018年3月現在の情報となります。