CASE9
高齢者住宅
サービス付き高齢者向け住宅 レインボー
介護老人保健施設 アイリス
- 所在地:
- 愛媛県四国中央市
- 構造:
- 鉄骨造
- 延床面積:
- 1,481m2(レインボー)、5,473m2(アイリス)
- 竣工:
- 2014年9月(レインボー)、2014年3月(アイリス)
- 用途:
- サービス付き高齢者向け住宅(40戸)、介護老人保健施設(110床)、在宅療養支援診療所、指定居宅介護支援事業所
グループ全体で、急性期医療から看取りまでの一貫したサービス提供の体制を構築されている石川メディカルグループ様。グループにおける在宅復帰の受け皿としての役割を担う医療法人健康会様では、さらなる機能強化を図るべく、医療・介護・住宅の複合施設を計画されました。
計画のポイント
一体感ある配置で連携しやすいよう2棟の建物を設計
1階部分に在宅療養支援診療所の石川クリニックと指定居宅介護支援事業所、2~4階に介護老人保健施設「アイリス」と、4階建てのサービス付き高齢者向け住宅「レインボー」の2棟の建物で構成された複合施設。利用者様や入居者様だけでなく、職員の利便性を考慮して渡り廊下でつなげるなど、効率的な動線計画を実現しました。
介護老人保健施設アイリス。1階部分にはクリニックと指定居宅介護支援事業所が配置されています。
明るさと温もり感にこだわった建物内部
2棟の建物ともに、内部には木目調の内装をいたるところに採用し、利用者様や入居者様に安らぎを与えるよう配慮されています。また、介護老人保健施設「アイリス」の建物には、3ヶ所の吹き抜け部分を設けるなど、自然光を最大限取り入れ館内全体が明るくなるよう、構造に工夫を凝らしています。
アイリスの館内には3ヶ所もの吹き向けスペースを設置。これにより、建物内部全体が自然光で明るくなるだけでなく、植栽が施された中庭が利用者様や患者様に癒しを与えています。
共通する外観イメージでグループの一体感と総合力を演出
2棟の建物の外観は、色使いなどを隣接するHITO病院とイメージを揃えました。これにより、地域の方々に石川メディカルグループとしての一体感を表現するとともに、医療・介護の連携を見た目からもアピールしています。
サービス付き高齢者向け住宅レインボー。2棟の建物は、外観の色調を揃えグループの施設としての統一感を表現しています。
お客様の声
地域に安心を提供し、
グループの在宅復帰の要となる医療・介護の複合施設
医療法人健康会 理事長 石川 綮一様
いま、医療機関の機能分化や病床再編、在宅復帰が大きく進められ、いわゆる2025年の医療と介護を見据えた場合、それらの連携への取組みはさらに加速していくものと思われます。なかでも在宅復帰率の向上は、事業の面からみても大きな命題となります。その実現のために、最重要課題と言えるのは『地域包括ケアの提供体制の構築』。これまでにも増して医療・介護の提供者が連携し、一体となって取り組まなければなりません。
私たち石川メディカルグループは、救急医療を中心とした19床の診療所からスタートしました。以来、退院した患者様と地域の医療・介護ニーズに対し、その都度応えていくことで提供するサービスの範囲も拡大。いまは、グループとして社会医療法人石川記念会が運営するHITO病院を中心に、急性期から回復期、維持期・在宅・看取り(ターミナルケア)までの切れ目のない多様なサービスを提供しています。
もちろん、これらのサービスは連携してこそ初めて機能します。今回、大和ハウス工業さんに建築していただいた施設は、まさにその“連携の中核”としての働きが期待されるもの。病院を退院し、在宅復帰される方の暮らしを医療と介護の両面から支えます。『一人でも多くの方に、安心して在宅復帰していただきたい』という願いを込めた“安心を提供する場”として運営していきたいのです。
石川クリニックと介護老人保健施設「アイリス」は、2014年4月に当地に新築移転開設。サービス付き高齢者向け住宅「レインボー」は、同年9月に新規開設しました。アイリスは、在宅復帰強化型の認可を受け、高い稼働率を維持しています。レインボーについても、年々稼働率が高まってきていますし、他の医療機関からも問い合わせが増えています。
今回、『複合施設としての一体感ある設計』に魅力を感じ、大和ハウス工業さんに建築をお願いしました。計画中は、週に一度のペースで打ち合わせを重ね、その結果『限られた敷地を有効に活用したコンパクトで機能性の高い建物』ができたと満足しています。さらに感心したのが、タイトなスケジュールの中での施工スピード。工事中はきめ細かな配慮が随所になされており、周辺地域からの苦情もなく完成に至ったことにも感謝しています。
私たち石川メディカルグループは、「地域に選ばれ、地域に貢献し、地域から信頼される医療と介護のサービス」が理念。今後も在宅復帰を推進すると同時に、地域包括ケアの中核を担っていくため、グループ全体の連携をより強めていきたいと考えています。