暮らしにいいものを探して vol.15世界の名作チェアが
並ぶショップで
椅子の物語を知る

名作チェアを幅広く扱う、
ミュージアムのような空間で

エントランスでは、1929年にパリのサロン・ドートンヌでル・コルビュジエが発表した記念すべき椅子が出迎えてくれる。

多くの建築家が椅子にこだわり、椅子をデザインするのは、椅子には作り手の哲学が込められているからだといわれます。椅子にはそれぞれの人格ならぬ、椅子格があるようです。「aRC FURNITURE POINT （アルク ファニチャー ポイント）」が椅子にこだわるのも、生活空間を最初に設えるものは心地よいデザインの椅子だと考えるから。店内では、インポートブランドから、国内ブランド、個性豊かなデザイナーブランドまで、ジャンルやカテゴリーに捉われず、常時50種類以上の名作チェアを見ることができます。主に設計者やデザイナーなど、プロをサポートする場として利用されていますが、もちろん一般のお客さまの購入や取り寄せにも対応。扱うのはすべて正規ルートの製品で、アフターケアも安心です。現物を見て、触れて、座り心地を体験でき、プロだけでなく一般の人にとっても貴重な学びの場になります。

心地よく、美しく、空間を引き立てる名作チェアをピックアップ

モダンデザインの歴史に名を刻み、今も愛され続けている椅子。見ているだけで、楽しくなるようなデザインやくつろぎの時間を想像させる椅子。そして日本のものづくりが支える繊細で美しい佇まいの椅子。心ときめく椅子格を感じる名作チェアを選びました。

※サイズ表記はいずれもmm単位です。

“椅子は座るための機械”として、
機能性と美を追求した名作チェア

「Cassina」7 FAUTEUIL TOURNANT Swivel chair「カッシーナ」7 フォートゥイユ トゥルナン スウィベルチェア

1929年、ル・コルビュジエたちがパリの展示会で発表。クッション風の座“水平”と4本の金属パイプの脚“垂直”を調和させた、シンプルで均衡のとれたデザイン。発表当時は、装飾的要素を排除したデザインが、奇抜なスタイルとして物議を醸したとも。
「Cassina」7 FAUTEUIL TOURNANT Swivel chair（W620/D565/H730/SH500）583,000円

巨匠ハンス J. ウェグナーが
人生最後に手掛けた、
“ラストダイニングチェア”

「PP Møbler」PP58「PP モブラー」PP58

1987年に発表。今までの経験がすべて詰まったウェグナーの集大成チェアといわれている。背もたれと肘掛けを併せ持った笠木部分が、他の作品より広く、体をしっかりと支える。また、肘掛け部分は短く作られており、テーブル下に収納できる。
「PP Møbler」PP58 （W580/D480/H700/SH420）284,900円

金属のフレームに厚革のジャケットを着せたという、
コンテンポラリーなチェア

「Cassina」412 CAB Armless chair「カッシーナ」412 キャブ アームレスチェア

1977年に発表。イタリアンモダンデザインを代表するマリオ・ベリーニの名作チェア。椅子を人間の体の延長としてデザイン。メタルのフレームにレザーを着せ、背もたれのフィット感と抜群の座り心地を実現。レザーパーツは、イタリアならではの見事な職人技によって縫製され、上品で洗練された佇まいを醸す。
「Cassina」412 CAB Armless chair（W525/D470/H810/SH430）239,800円

機能もデザイン化、
メカニズム搭載ゼロの
オフィスチェア

「vitra.」Tip Ton「ヴィトラ」ティプ トン

オフィスチェアにおいても評価の高い「ヴィトラ」の、椅子の先端を傾斜させたデザイン。体重移動することにより体を前傾させ、疲れにくく、集中力を高めるという。リサイクル可能なポリプロピレン製の一体成型で、丈夫かつ軽量、最大4脚までスタッキングできる。カラーバリエーションも豊富。
「vitra.」Tip Ton（W509/D555/H786/SH462）42,900円

日本のものづくりが
名作チェアに生きている

進化を続ける日本の木工技術と新鋭の国際的デザイナーが協働した“未来の名作チェア”や憧れの名作チェアのクオリティーをさらに高めたバージョンも。

飛騨の匠の技が細部に宿る、
人間的で優しい佇まい

「KOYORI」Miau Arm chair「コヨリ」ミアウ アームチェア

日本のメーカーが集結。卓越した日本の製造技術と国際的デザイナーの協働により生まれた、家具とインテリア用品のブランド「KOYORI」。この椅子は飛騨の家具メーカーとコペンハーゲンを拠点とするデザインユニットから生まれた。アーム部分に猫のようなモチーフを取り入れたぬくもりのあるデザイン。曲木や削り出し加工による、木の美しさを生かした繊細なディテールに伝統の技が宿る。
「KOYORI 」Miau Arm chair （W547/D473/H715/SH455）148,500円

成形合板のたゆまぬ技術がかなえた、
心地よいデザイン

「KOYORI」Kawara Arm chair「コヨリ」カワラ アームチェア

パリを拠点とするデザイナーユニットのイメージから生まれたフォルムを、成形合板の技術で名をはせる山形県天童市の家具メーカーが製作。まるで三次曲面の背もたれと肘掛けに包み込まれるよう。美しくやわらかな曲面は、座り心地を高め、強度や安定性にも寄与。
「KOYORI 」Kawara Arm chair（W548/D531/H822/SH448）149,600円

山形の木工家具製作所が、
憧れのブランド
「フィン・ユール」を支える

「HOUSE OF FINN JUHL」46 Arm chair「ハウス・オブ・フィン・ユール」46 アームチェア

デンマークのモダン家具デザインの最高峰といわれる「フィン・ユール」の椅子。1946年にデザインされた「46」を、座面を薄くしフレームから浮いたように見える軽やかな構造にモディファイ。日本の技術によりジョイント部分が進化した。
「HOUSE OF FINN JUHL」46 Arm chair（W620/D540/H820/SH440）609,400円

インドの都市計画で
重要な役割を果たした
椅子のオマージュ

「Cassina」053 CAPITOL COMPLEX Arm chair「カッシーナ」053 キャピトル コンプレックス アームチェア

インドに赴き、ル・コルビュジエの都市計画を支えたピエール・ジャンヌレが現地でデザイン。家具製造メーカー「カッシーナ」が時を超えリプロダクションした。特徴的なV字型の構造、シートと背もたれ、そして丸みのあるアームレストのクッションが快適な座り心地とともに、シンプルな優雅さを醸す。
「Cassina」053 CAPITOL COMPLEX Arm chair（W700/D780/H740/SH385）748,000円

旅先のスペインで出会った
伝統的な椅子を、
北欧的な解釈で
シンプルにリ・デザイン

「Fredericia」The Spanish Chair 2226「フレデリシア」ザ スパニッシュ チェア 2226

1958年、デンマークの家具デザイナー、ボーエ・モーエンセンが発表。幅広のアームレストは、飲み物や本などが置けるサイドテーブルの機能も。馬具用の革を使用したのは、当時自動車の普及によって職を失った馬具職人たちの救済も考慮したといわれる。背もたれの後ろと座面裏側の真鍮のバックルは、革の張り具合を調整することができる。
「Fredericia」The Spanish Chair 2226（W825/D600/H670/SH330）1,026,300円

モダンデザインに、
リクライニングのための
最新メカニズムを搭載

「FLEXFORM」A.B.C. Arm chair「フレックスフォルム」A.B.C.アームチェア

イタリアの建築家アントニオ・チッテリオがブランドの監修を務め、デザインから製造まですべてイタリアで行う「フレックスフォルム」の椅子。ふっくらとしたポリウレタンフォームをレザーで包んだ低い座面と背もたれにクロームのアームが際立つデザイン。背もたれに寄りかかると座面が前に動いて、リクライニングする。
「FLEXFORM」A.B.C. Arm chair（W650/D900-1090/H700-820/SH340）1,078,000円

椅子の物語、いかがでしたか。それぞれの椅子の背景を知ることで、人の体に最も近い家具、椅子を選ぶときの一助となり、自分のスタイルにふさわしいチェアとの出会いが楽しみになりますように。