大和ハウス工業株式会社は文化・芸術への支援活動の一環として、公益社団法人 大阪交響楽団の音楽活動に協賛しています。同楽団の理事長は、当社名誉顧問の樋口武男が2006年4月から2020年9月まで、2020年10月からは当社代表取締役社長の芳井敬一が務めており、法人会員は273社(2024年3月1日現在)となります。当楽団は「大阪」という冠に誇りと自信を持って、この地から全国へ、また世界へ向けて音楽を広めていく活動を続けています。そのためにも、楽団員が存分に腕をふるえる舞台を数多く提供し、大阪が他のどの都市よりも文化・芸術の都と呼ばれるにふさわしい環境作りに取り組んでいきたいと思います。
大阪交響楽団について
大阪交響楽団は「大阪シンフォニカー」として1980年に創立し、永久名誉楽団代表・敷島博子が『聴くものも、演奏するものも満足できる音楽を!』を提唱しました。いつも聴衆を”熱く”感動させるその演奏は、「魂の叫び」「情熱の音」であると評されています。2022年4月からは新たに常任指揮者に山下一史、ミュージックパートナーに柴田真郁、首席客演指揮者に高橋直史を迎え、さらなる楽団の飛躍が期待されています。
常任指揮者
山下 一史
©ai ueda
ミュージックパートナー
柴田 真郁
©T.Tairadate
首席客演指揮者
髙橋 直史
撮影:老川良一
楽団員からのメッセージ
例えば、メロディと交わるひと時を想像してみてください。未来を想いながら目を閉じ、ひとり聴き入るヴァイオリンの調べ。家族で思いをひとつにして、コンサート後の響きを語り合い歩くプロムナード。友人や恋人と今日という日の余韻をひとしきり語り合いながら、これからの道筋に思いを馳せるひと時。それぞれの感情が交錯しながら、やがて素敵な夜が訪れてきます。
音楽に限らず、文化や芸術に触れる機会は誰にでも平等に与えられています。そこには才能とか技術は関係ありません。あなたが思いを寄せることが大切なのです。
「音楽に触れることの大切さを胸に抱きながら、心を開放して過ごしてください」そうすると、もしかすれば誰かに新しい未来が届いてくるかも知れません。
皆さまのご来場を大阪交響楽団員一同も心よりお待ち申し上げています。
©飯島隆
音楽が人々の心を紡いでいく
以前のコンサートに来場された方からこんなエッセイをいただきました。
ぜひご一読ください。こんな人生もあるのですね。
家族への小夜曲(セレナーデ)
ずっと音楽が好きだった メロディは友だちだった
いつか流麗にピアノを奏でることを夢見ていた
大人になってあなたと出会い 私たちは家族になった
決して裕福ではなかった新婚時代 あなたに言った
「一生に一度の無駄遣いをしたい」
私たちはピアノを買った 誰が弾くというあてもなく
まだ見ぬ子どものため? 失くした夢を訪ねるため?
やがて私たちの間に男の子が生まれた
幼い彼は自然と鍵盤に向かいそこで遊んだ
幾年か過ぎ成長した彼は 小さな演奏会でショパンと向き合った
あの頃私が夢見ていた「幻想即興曲」だ
アレグロ・アジタートから 華麗で洒脱な旋律へ
― そう こんな風に リリカルに
私の夢を叶えてくれた彼
舞台上に目を凝らす妻に気付かれぬよう
そっと目頭を押さえる
社会人になった今も 彼の心のなかには
音楽があふれている そんな風に見える
幸せは家族のなかに宿っている
道のりはさまざまでも それを望めば
そっと芽を出し 花を咲かせる
家族が水をやり 小さな世界が育まれていく
そしてピアノはいまも 家にある
思い出を鍵盤にうずめて
時の調べ
一家揃って音楽が好き
夫はジャズ 私はクラシック
息子はブルース 娘はシャンソン
自分が好きな音楽が一番と
譲らなかった時もあったけれど…
哀しみに打ちひしがれている私のために
お茶目なドビュッシーを口ずさみ 涙をふいてくれた娘
恋に苦しんでいる娘の傍らで 黙って
チャップリンの「スマイル」を爪弾いていた夫
仕事で大きな転機を迫られ 悩んでいた夫を
私が指揮する「歓喜の歌」で出迎えたサプライズの夜
──── 思い出はすべて音楽とともにある
ジャンルは違っても 音楽はひとつだと
夫や子どもたちが教えてくれた
時は過ぎ 夫婦二人の暮らしとなった今も
あの賑やかな日々が心の中で息づいている
子どもたちのこと 私たちのこれからのこと
思いを巡らせ こころが揺れる夕暮れ時
口元からこぼれ落ちたのは あのメロディ
そう こんな日は音楽会を開きましょう
主催者は私 ゲストはあなた
ペアのワイングラスを卓上に置き
いつもの指定席に座ると
「花のワルツ」が二人を包む
優しく 軽やかに