多様な人財活躍(女性活躍)
職種・階層別の取り組み
2007年に人事部内に専任組織を設置。
全社共通の教育や職種別専門研修のほか、ポジティブアクションとして女性社員のさらなる能力開発と女性社員を育成する職場環境づくりを目指し、女性社員やその上司に対して階層や職種毎に課題に合わせた取組みを実施するなど、女性活躍推進に積極的に取り組んでいます。
管理職の育成・強化
経営の意思決定の場を多様にするため、グループ各社で女性管理職の数値目標を掲げて、女性管理職の育成・強化に取り組んでいます。
管理職研修
2010年度より女性管理職を対象とした意識啓発やアセスメント等の研修や社外講座・勉強会への派遣を通じた育成を実施し、上級管理職への育成や経営層の輩出を目指しています。
管理職候補者育成研修
2011年度より女性管理職候補者向けの研修を実施しています。研修では管理職登用にあたってのマインドセットや管理職に必要な業務範囲の拡大や役割の付与など、上司とともに管理職に必要な能力開発を半年にわたって経験を通じて業務内で意識的に実践しています。
女性管理職向け研修の様子
職域拡大に向けた部門ごとの取り組み
少子高齢化による人財の確保や多様な市場ニーズへ対応するために、当社では今まで建設業界全体において女性が少なかった職種にも女性社員を積極的に配属し、定着や能力発揮のための支援・育成をしています。
これらの取り組みにより、女性社員の役職・役割に対する意識も向上しています。
女性営業育成サポートプログラム
営業職においては「女性営業サポートプログラム」を導入し、本人や上司を含めた女性営業を育てる職場環境づくりに力を入れています。
- 営業サポート
2007年より、ロールモデルとの交流やキャリアライフプランの作成、女性営業同士のネットワークの構築などを目的とした女性営業の情報交換会や育成研修を行っています。また2014年より生活提案力の強化や異業種交流など各事業部の課題に則した内容を盛り込むことで、よりきめ細やかな育成を目指しています。
さらに社内だけにとどまらず、女性営業の定着・戦力化は住宅業界共通のテーマであると捉え、2007年より住宅メーカー3社で「住宅メーカー女性営業交流会」を実施し、現在では9社の取り組みとして拡大しています。ロールモデルの共有や女性営業職としての働き方に関する意見交換など、住宅業界で同じように働く他社との交流は非常によい刺激となっています。 - 上司サポート
女性営業がより能力を発揮できる職場環境をつくるため、事業部毎に男性の上司に対する研修を実施し、実際に働く女性営業の事例発表や、女性営業の育成について参加者同士のディスカッションを行っています。 - 両立サポート
女性営業の育児休業からの復帰にあたっては、面談を通じて復帰にあたっての本人の不安の払拭や両立支援に関する制度の紹介などを行って、営業職へのスムーズな復帰ができるようサポートを行っています。 - 積極採用・戦略的育成
新卒採用においても営業職における女性の採用を積極的に行っており、女子学生を対象とした先輩社員質問会では、営業職の女性社員から営業活動での苦労や育児との両立についての具体的な事例の発表や、当社の女性活躍推進の取り組みについて説明する機会を設けています。
外勤者が安心できる職場環境の醸成
お客様や取引先など社外からのセクシュアルハラスメントを防止し、当社の外勤者(営業職・施工職等)にとって安心できる職場環境を醸成するために、営業活動中における訪問ルールや懇親会等への参加ルールやガイドラインを示した『セクハラ防衛ガイドブック』を2020年8月に発行しました。また、営業活動中の危険事態に備えて、女性営業職全員に護身用として防犯ブザーを配付しました。
技術部門での女性社員の定着・育成
技術部門においても女性社員の定着・育成を図っており、2007年より住宅系施工部門においては情報交換会を、2013年より住宅系設計部門においては意見交換会を実施するなど、女性技術者同士のネットワーク形成や両立するロールモデルの共有を行っています。
その結果、設計業務だけでなく施工や構造設計、設備など、担当する業務分野も拡大しています。特に現場管理を行う施工職においても定着が進み、子育てをしながら活躍する女性現場監督も増加しています。
施工現場の様子
また、施工現場で働く女性技術者・技能者の作業環境を改善するための取り組みとして、女性向けのヘルメット、安全帯などの保護具を開発しました。女性用仮設トイレの導入も推進しており、より安全・快適な環境整備に努めています。
なお、全国低層住宅労務安全協議会の主催する「じゅうたく小町」には当社の女性施工職が多数参画し、これまで男性が多かった職場の中で女性が施工管理としての仕事を継続し活躍していくうえでの課題解決を推進するため、①女性技術者としてのレベルアップ②職場環境改善(仮設トイレ、安全具、労働時間)③家庭と現場との両立の3つのテーマについて、国や業界に提言するなど、女性が働きやすい環境づくりに向けて低層住宅業界全体で取り組んでいます。
ハーネス型安全帯を着用した
当社女性工事監督
事務系職種の戦略的配置転換
事務職入社の女性社員については総合職としてのキャリア構築を目的として、お客様相談センターなど、今まで女性の少なかった部門や新規事業の分野において、社内公募やFA制度を活用した戦略的な職域拡大を図っています。
本人のキャリアパス拡大だけにとどまらず、お客様にご満足いただくことで本人のモチベーション向上にもつながっています。
職種転換したアフター点検員の点検の様子
能力開発についての取り組み
専門性の向上
事務系総合職においてこれまでの性別役割意識を払拭し、性別にかかわらずプロフェッショナル人財を育成することを目的として、事業所の管理部門(総務人事・経理)担当者を対象とした研修を実施しています。
業務改善推進
- 管理職の意識啓発
新たに管理職になった社員を対象とした研修にアンコンシャス・バイアスのテーマを盛り込み、多様な人財を育成するための意識改革を行っています。 - 業務改善への取組事例
事業所の事務系職種女性社員の能力開発を目的として、業務改善の取り組みを促進した結果、例えば共働き率の高い地域において、子育てをしながら働く事務系職種の女性社員が中心となって、家族の家事シェアをテーマにした住宅の企画~イベントの実施までを行うなど、地域の特性に根ざした好事例の輩出につながっています。
意識啓発研修の様子
業務改善プロジェクトの事例
「家事シェアをテーマとしたモデル棟」
業務改善プロジェクトの打ち合わせの様子
風土の醸成
大和ハウスでの取り組み
- 事例共有・情報発信
全社員が女性活躍推進やダイバーシティ推進の意義を理解し、多様な人財が活躍できる職場風土の醸成に向け、女性活躍推進をはじめとするダイバーシティ推進の専任部署から社内のイントラネットを通じて「ダイバーシティ・レポート」を発信しました。レポートでは男女問わずワークライフバランスに関する制度を活用しながら活躍する社員や様々な分野・職種で活躍中の女性社員の紹介、当社のダイバーシティに関する取り組みやデータの紹介を行っています。2016年7月には様々な女性活躍や男性上司による女性部下育成、男性の育児支援制度活用などの好事例や両立支援ならびにキャリアアップに関する制度の紹介を掲載した冊子「別冊ダイバーシティ・レポート」を発行、全社員に配布しました。 - 評価項目への反映
多様な人財が活躍できる企業風土醸成を加速させるために、管理職の評価において「女性部下に対する積極的な活躍支援や、部下育成を目的とした役割・機会付与」を項目として盛り込み、女性のキャリア促進の支援をマネジメントの重要な要素として位置づけています。
別冊ダイバーシティ・レポート
グループでの取り組み
大和ハウスグループとしてダイバーシティ推進の企業風土をさらに加速させるために、2014年よりグループ合同での女性活躍推進を目的としたフォーラム「D's Women's Forum」を開催しています。2017年からは「D's Diversity Forum」に名称を変更し、経営戦略としてのダイバーシティ経営や働き方改革との関係について講演や意見交換を行うなどグループ間の交流にとどまらず、女性社員が経営視点を持つための育成にもつながっています。
グループ会社ダイバーシティ推進担当者の情報交換会や勉強会を実施し、グループ内の女性活躍推進の取り組み事例の共有を図るなどにより、グループ各社でのそれぞれの取り組みも進んでいます。
第4回 D's Women's Forumの様子