犬と暮らす家がつくりたい!
今の住まいから「不満」を見つけ出す
これまでは「住宅展示場」や「まちなかジーヴォ」を見てきたが、本格的なプランづくりに入る前に、もうひとつやっておく重要なことがあるらしい。その人が現在暮らしている家を「Team-xevo(チーム・ジーヴォ)」の皆さんが実際に訪れて、見て回る。「ライフミーティング」というその過程で、今の住まいへの不満や、本人でさえ気付かないようなちょっと不便そうな面を見つけ出し、その解決策をプランづくりに反映するというのだ。そんなわけで、恥ずかしながら今回はわが家の全貌を…。
左から穴澤、Team-xevoの池田京子さん、間宮裕二さん、内田眞里江さん
今回「犬と暮らす家がつくりたい!」でプランを考えるわけだが、犬と暮らす者として現在の住まいに不満を感じている部分もあるし、プロの視点から「犬との暮らし」を検証してもらう意味でもわが家で「ライフミーティング」をすることになった。お越しいただいたのは前回までの間宮裕二さんに加え、デザイナーの池田京子さんとコーディネーターの内田眞里江さん。
「ライフミーティング」を行う前にお願いされていたのは、部屋を片付けないでくださいということ。なるべく普段どおりの暮らしぶりを見せてもらわないと、どこにモノがたまりやすいなど、困っていることが発見しにくいとのことだった。言われたとおり、とくに掃除もせずこの日を迎えた。そんなわけで、わりと散らかっていますが何卒ご了承ください。
まずは1階から検証開始
わが家は小さめの一軒家(3階建て)なので、玄関には靴箱以外に特別な収納スペースはない。靴箱は妻の靴が占領しているので、棚を新たに買って(写真右の壁側の白い棚)、そこにリードや犬用バスタオル、散歩バッグなどを入れている。
犬用グッズの収納棚。本当は釣り具をしまうスペースもほしい
開かずの扉となった散歩用の勝手口
1階にはもう一カ所、勝手口があって、暮らしはじめる前はここを散歩専用の出入り口にしようと思っていたが、いざ住んでみるとここで大吉と福ちゃんの足を拭いたりリードを外したりするにはかなり狭く、入居2日目から玄関を使っている。ドアクローザーには無理矢理犬のレインコートを引っかけたりしているので、出入り口としてほとんど機能していない。
このゴミ箱はウンチ専用。密閉型のゴミ箱があったら便利なのに
ドアクローザーに無理矢理犬用レインコートを引っかけている。階段下の収納は散歩グッズ用だったが現在は釣り具入れに
滑りやすい階段の苦肉の策
リアルに散らかっている脱衣所
リアルにごちゃごちゃしている1階収納
1階にはバスルームと狭い仕事部屋と収納があるが、収納が雑然としていることくらいで、これといって困っていることはない。私が仕事をしているときは、だいたい大吉も福ちゃんも後ろで昼寝をしていることが多い(午前中は3階の寝室でのんびり二度寝している)。
仕事部屋。ここで英知にあふれた文章が日々綴られている
やはり問題は階段で、滑りやすいうえに急勾配になっている。大吉は賢いからそろりそろりと降りるが、福ちゃんは何も考えずにダダダダダー!と駆け下りたりするのでヒヤヒヤする。そのため、ホームセンターなどで売っている滑り止めのカーペットを敷いているのだが…。
滑り止めカーペットを敷くと見栄えは悪いし、すぐに毛だらけになるし、掃除が非常に面倒くさい。犬のことを考えるなら、滑りにくくてクッション性もある素材にして、段差ももっと緩やかにしたい。
福ちゃんがすべって足をケガしたリビング
2階はリビングとキッチンだが、ここの床も犬には滑りやすいらしい。そのことはわかっているつもりだったが、入居まもなく福ちゃんがはしゃぎすぎてジャンプして着地に失敗して後ろ足をケガするという事件が起きた。そのため、翌日に慌てて100円ショップでコルクマットを大量に買ってきて敷いている。いずれは全面的に何か対策をほどこさねばと思っているが、やはり滑りやすい床は禁物だ。今回建てる家の床材は何がいいだろう。
犬用トイレはどこにする?
見えないところは汚いわが家
わが家の場合、キッチンの脇にあるパントリーの下を犬用のトイレスペースにしている。食材の下にトイレなんてと思うかもしれないが、むきだしの食材を置くわけではないし、何よりほかにトイレを置く場所がないということもあり、ここにしている。オスは足をあげて用を足すことがあるので、壁に鉄の板を張って、トイレシートをマグネットで固定するという自作の工夫が施してある。もっといいものが最初からあるといいのだが。
説明しているそばから大吉が足をあげておしっこをしていた(左)
残念なことに福ちゃんはいまだにトイレ以外の場所でおしっこをするので、リビングにもシートを敷いている(右)
何カ所かに水飲み場を
続いて3階は、寝室と妻の部屋兼客間になっている。大吉と福ちゃんはベッドで寝るのだが、飛び降りる場所は決まっているので、ここにもピンポイントで滑り止めのカーペットを敷いている。そして夜にいちいち2階まで降りなくていいように、寝室を出たところに水の器を置いている。ちなみに1階にも置いてあるが、暗いときによく蹴飛ばしてこぼしてしまう(ちなみに取材中もカメラマンがこぼしてしまった)。
ライフミーティングを終えて
このほかにも、時間をかけて本当に家の隅々まで見ていただいたのだが、全部は紹介しきれないので割愛するとして、今回のライフミーティングで「Team-xevo(チーム・ジーヴォ)」の皆さんが感じたりチェックしたことは、一度じっくりと考えたうえで「犬と暮らす家」のプランに盛り込んで提案してくれるとのこと。
いぬのきもち編集室eyes
穴澤家ではパントリーの下半分をトイレスペースとして活用していました。ですが、住む人によってはキッチン周辺にトイレを設置することに抵抗がある方もいそうです。階段の高さ(蹴上)やクッション性の高い床材については、これまでの展示場見学でもキーポイントになっていますが、犬用トイレの設置スペースも今後のポイントになりそうな課題です。
犬も人も快適に暮らせる家作りのため、チーム・ジーヴォの皆さんはここでは紹介しきれないほど、細かくチェックしていました。ライフミーティングの結果、どんなアイデアが住宅プランに取り入れられているか、皆さんもどうかお楽しみに。
いよいよ設計プランが出来上がってくる。展示場・まちなかジーヴォの見学とわが家のケースが犬と暮らすための家づくりにどう役立つのか、いろいろ伝えた私の希望がどんなプランになっているのか、見せてもらうのが待ち遠しい。
- ※「まちなかジーヴォ」とは
全国の“まちなか”に建つ、地域密着型のオープンハウス。近隣の街並みや、現実的な大きさの土地にあわせて設計を行っているので、実際の住まい作りの工夫や考えが注ぎ込まれている。 - ※「いぬのきもち」とは
愛犬との毎日をもっと楽しく、ステキに過ごす為の、雑誌とふろくのセットの生活総合誌です。毎月、直接ご自宅にお届けいたします。
作者プロフィール
穴澤賢(あなざわまさる)
1971年大阪生まれ。犬猫と酒と音楽と釣りこよなく愛するフリーランスのライター。著書に「ひとりと一匹(小学館文庫)」、「またね、富士丸。(集英社文庫)」、絵本「明日もいっしょにおきようねー捨て猫でかおのはなし(草思社)」、CDブック「Another Side Of Music(ワーナー・ミュージック・ジャパン)」などがある。
連載:いぬのきもちねこのきもちWEB「穴澤賢の犬のはなし」
大吉(オス・3才)
2011年8月17日生まれ。茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれたミックス。「いつでも里親募集中」というWebサイトを経て穴澤家へ。雷と花火と暴走族が苦手。海も特別好きではない。
福助(オス・1才)
2014年1月11日生まれ(推定)。千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。保護される前の経歴は不明のミックス。やんちゃで暴れん坊。大吉のことが大好きで、いつもくっついては大吉にうざがられている。
犬と暮らす家がつくりたい!
はじめに
家を建てる準備
プランや仕様を決める
- vol.5 チームジーヴォからのプラン提案 ~その1
- vol.6 チームジーヴォからのプラン提案 ~その2
- vol.7 獣医師の視点でプランをチェックしてもらおう
- vol.8 内装(インテリア)を決めよう!
建設中
完成
まとめ