犬と暮らす家がつくりたい!
大福コンビを連れて、いざ見学
2014年末に始動したこの企画、それから約半年間チームジーヴォのみなさんと「愛犬と快適に暮らすための家づくり」を真剣に考えてきた。そして、ついにその家が現実のものになった。みんなでアイデアを出しあった家が、実際に完成したのだ。そんなわけで建ったばかりの家を訪問することに。さてどんな家に仕上がったのか、その全貌を公開します。
これが私たちの考えた動線
まず門をくぐると緩やかな階段があり、その向こうにはドアとは別にゲートが設置してある。これが門とは別にもうひとつ飛び出し防止の役割を果たしている。
ゲート脇には足洗い場がついていて、散歩から帰ってきたらここで足を洗うことができる。
Team-xevoの間宮裕二さんと玄関収納のチェック中
玄関を入った左側はリードやお散歩バッグをかけられる収納スペースになっている。写真ではわからないが、私の背後にもスペースがあり散歩時の上着などがかけられるようになっている。
同じように右側は人間用に大容量の靴箱があり、その脇には犬が外を眺められる小さな窓を設置。飼い主の帰りを察知した愛犬がここからお出迎えしたりして。
玄関とは別に、ゲートの中からも家に出入りすることができるようになっている
ゲート内はウッドデッキ(南向き)で、日向ぼっこをすることができる
さらにウッドデッキの前には小さいながらもドッグランになっている
天気のいい日はこんな感じでのんびり過ごしてみたい
とくにこだわった床と階段
まず大きな課題のひとつであった階段だが、最終的に傾斜を緩やかにした「緩勾配」の階段にした。何度もいうが、これは特注で作ってもらった。さらにコルクを貼ることで滑り止めの効果も。
踊り場には外を眺められる窓もついている
階段は、大吉と福助もまったく問題なく上り下りしていた。とくに老犬にはこういう階段のほうがいいだろう。もっといえば、人間もこれくらいの段差のほうが本来は楽なはず。
床については2階のリビングがコルク材、1階と3階のフローリングにそれぞれ特殊なシリコン加工を施してグリップをよくしてある。滑り止め効果がありすぎると、犬はよくても人間がつまづきやすくなってしまうという問題があるが、この加工は人間にも犬にもちょうどいい具合だった。
リビングの床はこんな感じ。汚れが目立たず、ちょっとお洒落に(左)
1階と3階の床はこんな感じ。裸足でも気持ちがいい。(右)
ほかにも、こんなところを工夫した
- ※掲載の間取り・外構・植栽図は設計図書を基に描き起こしたもので実際とは多少異なる場合があります。
- ※車・家具・家電・備品等は価格に含まれません。
ここからは、Team-xevoのみなさんといっしょに考えた快適な家作りのアイデアを紹介したい。
まずは3階から。
水を飲むためにいちいち移動しなくてもいいように、水飲みスペースを設置した。
写真はTeam-xevoの池田京子さん。水飲みボウルを人間が蹴飛ばしてしまわないよう、廊下の一角を掘り込んでいる
2階のキッチンは、愛犬を入れたくない人のためにゲートを設置した。
キッチンを隔てる扉は造り付けで、腰壁に収納できるようになっている
抜け毛が多い犬のために、掃除用具をさっと取り出せる収納スペースも作った。
掃除用具入れの中には充電用掃除機のためにコンセントも設置
2階リビングの犬用ごはんスペースの上部は収納棚に。
ここにはフードなどをしまっておくと便利。
リビングの角の日当たりにいいところには、犬用のくつろぎスペースを設けた。
床はここだけタイルになっていて、夏はひんやりしている。
くつろぎスペースは人間の動線ではないところなので、昼寝の邪魔をすることもない
Team-xevoの内田眞里江さんと。くつろぎスペースは窓も低めで犬が外を眺められるようになっている
リビングの一角の見えにくい場所には犬用トイレスペースも。
ここも上部は収納になっていて、トイレシーツなどをしまっておける。
トイレスペースの床は防水加工のものを使用
さらに足をあげておしっこをするワンコのため、
トイレシートをL字に固定できるよう壁はマグネットがくっつく仕様になっているのだ。
トイレスペースの天井は、ナノイー発生機を設置
来て早々、リビングでくつろぐ大吉と福助
犬だけでなく人間も快適に
今回のコンセプトは犬と暮らすための家だが、人間にも快適なほうがいいに決まっている。そんなわけで、ほかにもこだわってみた。
リビングの一角にはCDやDVDなどをしまっておける収納スペースを
いたずら好きの愛犬から大切なコレクションを守るためにも使える
1階の寝室にも大きめのクローゼットを2カ所設置
Team-xevoの間宮さんと穴澤。大人2人が入っても広く感じる階段下収納
1階の水廻りには、上下する物干し竿を設置した。
紐を引っ張れば上下に稼働するので、洗濯物が楽に干せる。
女性目線でいろいろと確かめる私
2階キッチン周りの収納はいくらあっても困らないので、パントリーと大容量の収納スペースを。その他、階段や3階の部屋にも、いたるところに収納スペースを設けてある。これまでの経験上、収納はできるだけあったほうが何かと生活しやすいと考えたためだが、見た目もそのほうがごちゃごちゃしなくていい。
ライフミーティングの際にTeam-xevoの池田さんより提案された階段ホール収納は、3階に設置した
いぬのきもち編集室eyes
「犬と暮らす家」の床は、犬が多くの時間を過ごすであろう2階のリビングに衝撃をやわらげるコルク材を採用。さらに特殊なシリコン加工を施してグリップをよくしています。『いぬのきもち』2015年3月号の特集「ネットで調べてもわからない飼い主さんの疑問に答える101」でも、ヒザのお皿が外れてしまう膝蓋骨脱臼の予防として、床で滑らないようにカーペットなどを敷く対策を紹介していますが、犬にとって滑りやすいフローリングの床は飼い主さんが思う以上に危険な場合も。グリップ力の高い床を実際に触り、ケガの予防としても充分な効果がありそうだと実感しました。記事スペースの都合もあり、すべてを紹介できないことが残念です。
その頃の大吉と福ちゃんは…犬目線で家の中を探検中!
まちなかジーヴォ東川口
- ※掲載の写真は平成27年6月に撮影したものです。
- ※写真内の家具・家電・備品等は価格に含まれません。
いかがでしたでしょうか。写真では全部は紹介しきれませんが、これが私たちが考えた「犬と人間が快適に暮らすため」のアイデアを詰め込んだ家です。
そんな家を、ほかの飼い主さんが見たらどう感じるのか。それを検証するために、次回はあるワンコと飼い主さんに登場してもらいます。どうぞお楽しみに。
- ※「まちなかジーヴォ」とは
全国の“まちなか”に建つ、地域密着型のオープンハウス。近隣の街並みや、現実的な大きさの土地にあわせて設計を行っているので、実際の住まい作りの工夫や考えが注ぎ込まれている。 - ※「いぬのきもち」とは
愛犬との毎日をもっと楽しく、ステキに過ごす為の、雑誌とふろくのセットの生活総合誌です。毎月、直接ご自宅にお届けいたします。
作者プロフィール
穴澤賢(あなざわまさる)
1971年大阪生まれ。犬猫と酒と音楽と釣りこよなく愛するフリーランスのライター。著書に「ひとりと一匹(小学館文庫)」、「またね、富士丸。(集英社文庫)」、絵本「明日もいっしょにおきようねー捨て猫でかおのはなし(草思社)」、CDブック「Another Side Of Music(ワーナー・ミュージック・ジャパン)」などがある。
連載:いぬのきもちねこのきもちWEB「穴澤賢の犬のはなし」
大吉(オス・3才)
2011年8月17日生まれ。茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれたミックス。「いつでも里親募集中」というWebサイトを経て穴澤家へ。雷と花火と暴走族が苦手。海も特別好きではない。
福助(オス・1才)
2014年1月11日生まれ(推定)。千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。保護される前の経歴は不明のミックス。やんちゃで暴れん坊。大吉のことが大好きで、いつもくっついては大吉にうざがられている。
犬と暮らす家がつくりたい!
はじめに
家を建てる準備
プランや仕様を決める
- vol.5 チームジーヴォからのプラン提案 ~その1
- vol.6 チームジーヴォからのプラン提案 ~その2
- vol.7 獣医師の視点でプランをチェックしてもらおう
- vol.8 内装(インテリア)を決めよう!
建設中
完成
まとめ