医療と福祉のインテグレーションを目指し、
多機能ホームで地域のお年寄りの在宅生活を支える仕組みと体制をつくる
瀧井病院の建物一つにも、高齢者へのいたわりと配慮が見てとれます。診療科目は内科、精神科で病床数は124床(療養病床55)。敷地効率では階層建てにするのが普通ですが、あえて平屋建てにしているのは「お年寄りには垂直に移動するより、水平に移動するほうが身体に優しいですし、楽です。だからこちらの都合や経済効率だけを考えて、2階、3階、4階…の建物にしようとは最初から考えていませんでした」と瀧井さんは話します。病院内には医療法人として運営する偕楽園」(デイケア)があり、さらに敷地内の別棟にはデイケア、デイサービスセンターも付属しています。この瀧井病院の敷地選定から設計・施行までを、大和ハウスが全面的に担当させていただきました。
滝井さんは「大和ハウスさんとはずっと二人三脚の間柄なんです」と話されます。相互の関係はそれほどに古く、また深いご縁があるのです。二人三脚の関係になったのには、日向市内はもとより宮崎県下でもはじめて「老人保健施設」を新設するにあたってこんなエピソードがあったのです。
平成元年(1989)に老人保健施設が竣工した当時、新しい概念のこの施設は全国にもほとんど例がなかったのです。国のモデルが僅かに7例。滝井さんは「施設のイメージがどういうものか見当もつかなかったので、どういうものをつくればいいのかほんとうに五里霧中でした。それで、大和ハウスさんに相談したのです」。きっかけはそうですが、関係が深まるのは竣工にいたる苦労と勉強をともにした人間関係だったのです。
CASE4
神舞の里