医療と福祉のインテグレーションを目指し、
多機能ホームで地域のお年寄りの在宅生活を支える仕組みと体制をつくる
たいていの人は、自分が生まれた我が家、自分が育った地域でずっと暮らしたいと思っています。都市であれ村であれ同じです。しかし、山深い村では、時代や社会はそれを許してくれず、若い人はどんどん都会に出てしまいます。「残されたお年寄りはやっぱりその地域で暮らしたいのです、一人になっても。誰かが支え手になれば我が家も、慣れ親しんだ土地からも離れなくてもいいのです」と瀧井さんは話します。そして今後は高齢者住宅も計画しているとか。
医療法人社団慶城会と社会福祉法人清風会は、できるだけ長く地域あるいは村で高齢者が元気に生活を続けられるようにと、日向市を中心に隣接する村々までを含めた地域地域に介護の拠点を設けて、高齢者の生活や暮らしを支える体制と仕組みをつくろうとされているのです。
過疎の村の高齢者にも在宅での生活を…というのが、滝井さんが考えるデイサービスの趣旨と目的です。その考えを自ら率先、実行しておられるのです。日曜日以外の毎日、朝の7時過ぎに自分で車のハンドルを握り、曲がりくねった山道を走り、山中の過疎の村へと急ぐ。そこには、瀧井さんを心待ちにしているおばあちゃんやおじいちゃんがいるのです。送迎は往復60・も走ることもあるようですが、これまでの3年間欠かしたことがなく、いまでは日課です。
職員に頼らず、自ら送迎する理由を瀧井さんはこう話しています。「いつも頭から離れないようにしておくためです。私を待ってくれているおばあちゃんやおじいちゃんがいて、迎えに行くとニコッと嬉しそうな顏です。お年寄りの笑顔にふれることによって、つねにこの仕事の使命感を忘れないようにしているのです」。
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神舞の里