地域とともに歩み、地域社会から必要とされる企業であり続けるために。
2階のグループホームに入居する認知症の方々は、入浴後、居室の前に用意された小さな腰かけに座ってこのモミジの木を眺めて寛がれるようです。「そのお姿は本当に穏やかそのものです。私自身、この仕事に就いてよかったと思う光景です」と小沼さんは話されます。
屋外には広々としたガーデンがあり、さまざまなハーブが植えられ、人工池でつくったビオトーブにはメダカが泳ぎ、夏にトンボが飛来するそうです。建物の1階の南面には広い木製のサンデッキがつづき、2階のグループホームの居室はノコギリの歯状になっていて部屋の独立感を高める効果をもたらしています。自宅の延長として設けられた和の空間、2階の談話室から眺める1階屋上の緑化庭園、本格的な設備を備えたカラオケルームも自慢の一つです。
そのほか地域の人々の交流のための多目的ホールもあります。「地域の方々が、集う、学ぶ、楽しむ場としていろんなことに利用していただければと思っています」と小沼さん。施設の随所にこだわりを見ることができますが、小沼さんはさらにこうつけ加えられました。「当社の製品も使っています」。屋上に設置された太陽熱パネルで給湯し冬場の床暖房を行うのは同社のアロエース、また屋上緑化庭園もスーパーソルというガラスを粉末状にした水はけのよい“土壌”も同社の製品です。
徹底したこだわりで完成した「ヤザキケアセンター/紙ふうせん」ですが、小沼さんが話されるには「つねに、これでいいというのはありません。探究とこだわりは技術立社である当社の精神です。介護においてもこの精神が質を高めるはずです」。ちなみに、「ヤザキケアセンター/紙ふうせん」を見学に訪れる人が絶えず、取引先企業のなかには触発されて介護事業への参入を検討されるところもあるようです。
ちなみに施設名の「紙ふうせん」はお年寄りには昔懐かしい置き藥のおまけで、紙ふうせんをとばすときのようにお手柔らかく優しく・・・という思いが込められているそうです。
CASE5
ヤザキケアセンター紙ふうせん