ケアする人もケアされる人もみんなで一緒に幸せになる方法を考えましょう。
※ 社会福祉法人・青山会/「くわのみ荘」は「特別養護老人ホームくわのみ荘」、「くわのみ荘居宅介護支援事業所」、「くわのみ荘デイサービスセンター」、「くわのみ荘短期入所生活介護」、「くわのみ荘ホームヘルプサービス」、「熊本市在宅介護支援センターくわのみ荘」、「おもちゃ図書館わいわい」などを運営しておられます。
デイサービスセンターと共同住宅併設の「かてて」を建てるにあたっては、「理念塾」で職員らが意見を出し合ったことが設計に反映されています。「私が入所する立場なら嫌だな」と思うところは外していく。建物外観の印象も理念の“代弁者”であること。
そしてもう一つ重要なのは地域性。地域社会と「ともにある」ことを実現できる用地の確保は「かてて」の理念の実践には不可欠なものです。「地域のみなさんに受け入れていただき、また支えていただくことがもっとも大切なことです」。
そう話す跡部さんが、パートナーに選ばれたのが大和ハウス。熊本の中心地からそう遠くなく、バスが通じていて利便性もよく、周辺は古い因習もない新興の住宅地。それに土地の建て主さんも地域ケアの貢献に熱心で、そういう意味でも「大和ハウスさんが用意してくださったこの土地は、〈かてて〉を建てるにはこれ以上のない場所です。感謝しています、ほんとに」と、ふくよかな笑顔で話す跡部さん。
設計は建築家が担当したが、土地確保を含め建設・施行を大和ハウスに任されたのだが、その理由を跡部さんは迷わずにひと言。「理念のある会社かどうかで決めました。私たちの理念と合う合わない以前に、介護施設をつくるのに理念のないところは論外でした。大和ハウスさんなら私たち〈かてて〉の理念を十分に理解していただけると思ったのです」。
理念の実践はじつに些細なことにも気配りされている。「かてて」の入口近くの柱に昔懐かしの「駄菓子や」の旗がはためいている。近くの小学校の生徒や近所の子供たちがこの旗を見て、駄菓子を求めに「かてて」に遊びにやってくるそうなのです。そこでおじいちゃん、おばあちゃんらと子供とのコミュニケーション、交流の場が生まれる。まさに地域の人と「ともに生きる」です。
CASE1
かてて