大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

DIALOG9

「男性育休」から変わる、
家族と仕事のウェルビーイングな関係

多様性を組織の強みに変えるダイバーシティ経営と、働く人のウェルビーイング向上の観点から、仕事を人生の一つの要素として捉える「ワークインライフ」の考え方が広がりを見せています。家族、学び、趣味などの要素と、仕事が程よく調和するあり方もまた、人それぞれに多様なものです。

こうした多様なライフスタイルに対応した働き方を後押しするために、2021年には育児・介護休業法が改正され、国内企業における男性の育児休業(男性育休)の取得率が向上しています。しかし、その多くは数日程度の取得にとどまっている現状もあります。誰もが望む形で仕事と育児を両立し、働き続けることができる社会をつくるために、私たちはどのようにマインドや行動を変えていくべきでしょうか。

そこで第9回の対話ゲストは、産業・組織心理学やキャリア心理学の専門家であり、男性の育児休業を研究テーマとする筑波大学の尾野裕美准教授をお招きしました。1カ月以上の長期の育児休業を取得した社員二人の体験を共に振り返りながら、「男性育休」がもたらす個人と組織の変化について対話します。

CONTRIBUTORS

今回、対話するのは・・・

柴川 圭輔柴川 圭輔

育児の大変さは想像以上
家族との仲間意識が生まれた

柴川 圭輔

大和ハウス工業株式会社
九州支社 設備技術部
設備二課 主任

2009年、大和ハウス工業に入社。
設備設計・施工を行う設備部門を担当。結婚当初より、単身赴任で家族と離れての生活を送っていたが、第2子の誕生に合わせて、2022年7月から1年間、育児休業を取得。現在は再び単身赴任をしているが、週末は家族と過ごす生活を送っている。

高橋 佑典高橋 佑典

工場長の勧めで育休を取得
幸せの基準が変化した

高橋 佑典

大和ハウス工業株式会社
奈良工場 建築生産管理課
主任

2016年に入社、堺工場(現在は奈良工場に移転)に配属。
建築鉄骨の製作や予算、物件の管理を担当している。妻の妊娠期間と転職活動が重なり、工場長の勧めから、第2子誕生後の2023年9月から3カ月間の育児休業を取得。

尾野 裕美尾野 裕美

子育ての大変さを経験し
長期の男性育休を研究

尾野 裕美

筑波大学人間系准教授

日本製粉株式会社(現:株式会社ニップン)の人事、株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)のキャリアカウンセラー、株式会社リクルートマネジメントソリューションズの研究員を経て独立し、大学生のキャリア形成支援に従事。その後、横浜商科大学専任講師、明星大学准教授を経て2023年4月より現職。
筑波大学大学院人間総合科学研究科生涯発達科学専攻修了、博士(カウンセリング科学)。
著書に『個人と組織のための男性育休: 働く父母の心理と企業の支援」(ナカニシヤ出版/2023年5月)などがある。

今回のPOINT

育児休業を取得する男性だけでなく、育児休業を支える上司やチームメンバーなどの周囲の人々も含めて、1カ月以上の「男性育休」がもたらす影響や変化とはどのようなものか、一緒に考えてみましょう。

長期の「男性育休」取得、背景にあるそれぞれの事情

2

育休前の引継ぎが仕事を「見える化」し、
チームの生産性を高める

職場での打ち合わせの様子(高橋さん)

職場での打ち合わせの様子(柴川さん)

3

育休取得がもたらしたウェルビーイングの変化

4

まとめ

「男性育休」は、これまで女性に偏りがちだった育児の「負担を分散」させ、「喜びを共有」する家族と組織の取り組みである。男女ともに育休は、その後も続いていく育児に向けて、自分の人生における家族と仕事の最適配分を見いだし、新たなウェルビーイングの基準を定める契機にもなりえる。

5

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