「発酵」からひもとく、異文化のチームマネジメントと
「日本らしさ」の活かし方
人口減少社会を迎え、国内需要が縮小傾向にある今、多くの日本企業が持続可能な成長戦略の一つとして、海外市場の拡大に乗り出しています。海外事業の展開は、日本企業の収益向上だけでなく、現地の雇用創出による労働市場と経済活性化の観点で、相手国への貢献にもつながります。
これら相互のベネフィットを実現するには、現地のメンバーの商習慣や技術・管理手法を受け入れつつ、日本の独自性や自社の強みを活かしたビジネスを展開していくマインドセットや、スキルを有する「グローバル人財」の存在が欠かせません。こうした背景から大和ハウス工業では、従来のグローバル研修に加えて、2023年度より「グローバル・トレーニー制度(海外渡航型研修)」をスタートしました。
そこで今回の対話は、この研修に参加した2人の技術者に加えて、日本の「発酵」文化を切り口に海外での事業展開に取り組む小倉ヒラクさんをお招きしました。それぞれが海外での仕事で得た経験を振り返りつつ、日本の強みを発揮しながら現地のメンバーたちと共創していくためのヒントを探ります。
- ※本稿は2024年7月22日取材時点の内容です。
CONTRIBUTORS
今回、対話するのは・・・
海外事業を通じて海外の雇用創出に貢献したい
榎本 智章
大和ハウス工業株式会社
本社 技術統括本部 海外技術統括部
主任
2014年に新卒入社し、倉庫や物流施設の現場監督として勤務。2023年9月より「グローバル・トレーニー制度」に参加し、マレーシアで技術指導の業務を経験。帰国後は海外事業の投資・開発案件を担当する部門に配属となり、2024年8月からは米国に赴任。
自らがロールモデルとなって海外への心理的な壁をなくしたい
山崎 征史
大和ハウス工業株式会社
東京本社流通店舗事業本部 事業統括部
海外部 海外推進グループ
2016年にキャリア採用で入社し、現場監督として7年間、栃木県の事業所に勤務。2023年6月より「グローバル・トレーニー制度」に参加し、中国の蘇州に赴任。帰国後も「海外に関わる業務をしたい」と希望し、現在の部署に異動。米国のホテル建設計画に従事している。
海外への情報発信と事業展開から日本の発酵文化を守りたい
小倉 ヒラク
発酵デザイナー
1983年、東京都生まれ。発酵デザイナー。早稲田大学文学部で文化人類学を学び、在学中にフランスへ留学。東京農業大学で研究生として発酵学を学んだ後、山梨県甲州市に発酵ラボをつくる。「見えない発酵菌の働きを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちと発酵・微生物をテーマにしたプロジェクトを展開。絵本&アニメ『てまえみそのうた(農山漁村文化協会)』でグッドデザイン賞2014受賞。2020年、発酵食品の専門店「発酵デパートメント」を東京・下北沢にオープン。著書に『発酵文化人類学(木楽舎)』『日本発酵紀行(D&DEPARTMENT PROJECT)』『オッス!食国 美味しいにっぽん(KADOKAWA)』など。
海外で現地のメンバーと仕事を進める際に求められる意識や行動変容とはどのようなものか、また変わることでもたらされるものは何かについて、一緒に考えてみましょう。
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海外で仕事をしたい!夢の実現と直面した日本との「違い」
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私は、2014年に大和ハウス工業に入社してから9年半、倉庫や物流施設などの現場監督として働いてきました。
実は入社する前から、いつかは海外で働きたいと希望していました。それで「グローバル・トレーニー制度」が始まると聞いて応募して、2023年の夏から約半年間、マレーシアでの研修に参加しました。
帰国後はアメリカの開発案件を担当することになり、来月から現地に赴任する予定です。
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アメリカは、商習慣も法律も日本と全く違いますよね。
ちょうど僕のところにも、アメリカから「発酵食品の店を出さないか」という依頼があって、不動産関係の情報収集をしているところですが、この先のやりとりが大変そうだな、という印象です。
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そうですね、アメリカでは、契約などで解決できない問題が発生すると、訴訟に発展するケースが少なくないと聞きます。
そのため、私も現地の法律や契約書の内容を理解したうえで、書き方について新たに勉強が必要でした。
ただ、自分の中では、海外は日本の延長線上にあって、ボーダーレスなマインドで、先入観を持たないニュートラルな思考を心がけていました。
どこにいても自分と他者の間には違いがあるものですし、そういったマインドを持ちつつ日本人としてのアイデンティティを示すことが海外で活躍する上では重要だと考えています。
それでも、やはり研修先でのコミュニケーションでは、自分は理解してくれていると思っていたことを相手は全く理解していなかった、という誤解がよくありました。日本人は思っていることを話すのは恥ずかしいという感情を抱きがちなので、自分はどういう人間か、まずは自己開示して存在感をアピールしていかないと相手に考えが伝わらないのですよね。本音で話せば分かってもらえるし、相手も心を開いてくれるということを経験しました。
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私はキャリア採用で2016年に入社して、7年間、栃木県で現場監督をしていました。
元々は建築デザイナー志望で、大学では都市建築学を専攻し、大学院の時に1年間の交換留学のプログラムを利用してアメリカで学びました。それで、自分は海外で仕事をするんだ、と思っていたものの、なかなか機会に恵まれずにいました。
ですから、「グローバル・トレーニー制度」について知った時、とても興味を持ちました。上司から後押しされて思い切って応募してみたら、参加できることになって。中国の蘇州で9カ月間、仕事をしてきました。
現在は、アメリカフロリダ州のホテル建設計画に携わっています。
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僕は発酵デザイナーという肩書で活動しています。大学は文化人類学の専攻ですが、フランスで美術の勉強をした後に、デザイナーとして日本の都市計画のプランニングなどに関わっていました。
それで地方に行く機会が多く、醸造蔵を大事にする人たちと出会って興味を持ち、30歳になる手前で東京農業大学の醸造科で微生物学を学び直しました。
現在は、醸造や発酵、微生物にまつわる研究者兼クリエイターとして、全国の自治体や文化財団などからの依頼で、発酵を核にした観光や産業推進のプログラムを手がけています。
東京の下北沢で発酵デパートメントというお店も経営しています。
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海外に向けた日本の発酵文化のコミュニケーターのような役割もあります。今、世界は発酵ブームで、日本の発酵文化を取り入れた新しいフュージョン料理が流行っているんですよ。
異なる文化圏、例えばデンマークの人が、新しく糀(こうじ)の発酵食を使った日本食レストランを始めようと考えるとき、彼らは「なぜ日本ではそれをやるのか」というコンセプトや文化的なことを、メタ的な視点から構造的に理解しようと考えます。
でも、日本人はスペックや方法論の説明は上手なのに、彼らが求めるような構造的な説明は苦手とする印象があります。僕は10代の頃から世界中を回って、いろいろな国の人たちから説明を求められ、自分なりの仮説をつくりながらやってきたので、そこに仕事のニーズが合っている感じです。
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確かに、日本では「なぜ、何のためにやるのか」を考えることなく、仕事を始めてしまうことが多いように感じます。
技術や能力が優れていても、それを説明するのが苦手なために、結果として日本人の持つすばらしさを相手に伝えられていない。
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そうですよね。
建築や食も含めて、ファッションや音楽、漫画など、さまざまな専門領域で、日本は対外的に優れたものをたくさん持っている。発酵の仕事で海外に行くと、「日本文化という下駄」を履いている感覚になります。
ただ、きちんとコンセプトや文化的な前提の違いを伝えられる力がないと、海外でその優位性を示せない。日本人であることの意味を強みにするために、そうした力がすごく試されているなと感じます。
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「下駄」と言えるか分かりませんが、中国で働いて、日本はある意味で特殊なのだな、と気づかされました。
例えば、施工現場で作業員がミスをした時、日本的な思考だと、前工程で自分が書いた図面上の指示に不足があったのかもしれないと考えます。
でも現地のメンバーは、仕上がりが悪いという結果だけを見て、すぐに作業員にやり直しを指示してしまう。ミスの原因が分かっていないので、また同じような失敗が起きる。
別の同じようなエピソードはアメリカでも経験しました。海外では分業制が徹底していて、相手の仕事の責任は相手が負うという考え方であるのに対して、日本では分業しながらも、責任はチームで共有しているのだと思います。
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日本だと、みんな、自分の専門を超えて頑張っちゃう。
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そう、頑張ってしまうのでしょうね。でも、それが日本の品質の高さにつながってきたのだと思います。
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海外に学ぶ、これからの日本が
生産性を高めるためにできること
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中国やアメリカの人は、小さな局面では僕たちには「無責任」に見えるところもあるけれど、大局的に見ると、ものすごい組織力があって、大きな組織で大きなお金を動かして、巨大な建物を短いスパンでどんどん開発していたりしますよね。
このことを僕たち日本人はどう考えたらいいのかっていうのは、すごく難しい問いです。
日本人の「生産性の高さ」とは何であったのか、これからどうすれば良いのかと思います。
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生産性についていうと、日本人は勤勉で、真面目に働き過ぎるようなところがありますが、それが品質や生産性の高さにつながってきたのだと思います。
しかし、海外では日本との文化や考え方の違いがあり、例えば、先ほどの山崎さんの話のように、「何がミスであるか」という基準が違うので、その対処の仕方も違ってくる。私たちとアプローチは違いますが、私たちにはない大胆さがあり、それが結果として大きな成果につながっているということかもしれません。
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めっちゃ分かる。
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私たちとしては、日本の技術力をもって、品質や完成度の高い商品を海外に輸出したい。
一方で、現地ではそれを求められていないという場合、どこまでやるのか。
非常に技術者としてはやりにくいし、実際にやってみたら、すごくコストがかかりました。
しかもコストをかけた分、高価格で売れるというわけでもない。このあたりを検証する必要があると思います。
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相手が求めていないところを頑張ってしまう。
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はい。あと、日本的な精度を上げるための手法や、しんどくても頑張るというような精神性についても検討し直さなければいけないのではと。
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そうですよね。日本的なクリエイターの精神だと、100点より120点を目指そうと言いがちです。
僕はその逆で、この案件の納期と予算なら、無理せず85点ぐらいで良いんじゃない?と基準を下げるのが自分の役割だと考えています。
労力をかけた割には価格に転嫁されない、自分で自分を追い込んだ結果が自己満足にしかならないと、心を病んでメンタルパフォーマンスが下がり、生産性や組織力が落ちてしまうからです。
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多分、自分を基準に100を決めていては駄目で、求められている100はどこにあるのかをメンバーとアジャストしていく作業が必要になってくるのでしょうね。
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異文化から教わることって、他にもありますよね。
あくまで僕の経験上の話ですが、例えば、フランスの人は、インプットとアウトプットのつじつまを合わせるのがすごく上手で、メンタルパフォーマンスが下がることはしない。「今回の予算だと、プロジェクト期間自体は1年だけど、この3カ月集中する分ぐらいでいいよね」という感覚で、最後の3カ月に突然メールがいっぱい来るみたいことがある。
良い意味でプロセスは何でも良くて、でも決して無責任ではなく、結果としてクオリティーもしっかり仕上げてくる。
工数と価格でバランスが取れて結果が出ればいい、という考えは勉強になります。
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なるほど。例えば1万円もらえる仕事に対して、日本人の場合は、1万円以上のホスピタリティを与えようとしますよね。
それが例えばアメリカの人だと、きっちり1万円分、対価に見合った仕事をする。
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そうですね。合理主義です。
それからインドの人は、仕事や事業に驚くほど正義を大事にします。
儲けよりも社会問題の解決だ、というような社会的正義が必ずあって、プロセスはあいまいでも、正義が方法論を吹っ飛ばして仕事を動かしていく強さがあります。
かつての明治維新や戦後の日本にもそういう時期があったはずです。
あと一つが北欧で、彼らは仕事の選び方がすごく上手です。自分たちが競争せずに付加価値を付けられる領域のみで仕事をするようなところがあります。無機質になりがちな家具や生活雑貨にかわいい模様をつけて、他にまねできないようにしてきちんと値段をつける。そもそも自分たちがやる意味があるのはどんな仕事なのか、ということを考え抜いているのが北欧の人たちですね。
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私が学んだのは時間の使い方ですね。 海外では、個人がライフスタイルやプライベートの時間を大事にしながら、常に一定のパフォーマンスを出せるようにしていると思います。
日本では、戦後の高度経済成長期から生産性が重視され、企業主導で効率的な生産体制や技術革新を進めてきました。これからは、AI(人工知能)をはじめとする新しい技術活用が進むことで、個人が主体的により自由に時間を使って仕事をすることも可能になるでしょう。そうすれば、個人のクリエイティビティの向上につながり、企業の生産性も上がるのではと思います。
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発酵から考える、利他的なマネジメントが大事な理由
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今日は発酵と異文化のチームマネジメントの関わりがテーマですが、例えば、発酵には適した温度や湿度のバランスがあると聞きます。
同じように、グローバルなチームのマネジメントにおいても、マネージャーがメンバーにどのくらい口を出すのが良いのか、といったバランスが求められると思うのですが、小倉さんはどのように見ていますか?
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発酵ってすごく利他的なんですよね。利己に走るとあまり発酵しなくなる。
だから微生物に力を委ねて、すべてコントロールしようとせずに、どう自分が微生物に貢献しようかと考えていい環境をつくって、後は微生物たちがちゃんと働いてくれることを信じる。
その利他的なクリエイティビティは、日本のすごく特徴的なものだなと思います。発酵が象徴する利他的な文化を、働き方や価値のつくり方にも活かして、これからは世界中の人たちと一緒に、つくっていければいいなと。
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「利他的」に微生物に働いてもらうということは、ある意味管理できない部分を余白として残しているのだとすると、すごく面白いし、アートだなと感じます。
以前、著名な漫画家の先生が、ある時からペンではなく筆を使って描くようになったと聞いたことがあります。筆先は自分のコントロールの利かないところだからこそ、面白い線になるのだそうです。
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「利他的」であることは、チームビルディングする上でも、重要なポイントになりそうですね。
ある程度のところで、自発性に任せてあげるという発想はあまりなかったのですが、確かに個々人のクリエイティビティは高まりそうな気がします。
でも、微生物に任せて放ってしまうと、内部で何が起こっているかが分からないのでは?
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そうですね、分からないです。でも良い醸造家は、「最後は着地できる」って信じているんです。
自分の技術と、後は微生物のことを信じている。
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チームのマネジメントも信じて任せておけばいいということでしょうか。
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任せたとしても、自分でもやっておいて、まさかの事態に備えてしまったりもしますよね。
それをなくせると効率的になるのだけれども。
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そうですね。事前の計画通り完璧にできるという技術力もあるけれど、逆に現場で不測の事態が起こっても、何とか着地させる技術というのもあると思います。
それも含めて海外での仕事では、その国の文化を、日本的な方法論で引き立ててあげるようなことが僕たちにできるのでは、という気がします。自分の存在感を発揮しつつ、相手のことを引き立てているような、そういう仕事を追求していけるといいなと思います。
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最後に、今日のお話を踏まえて、これから海外の仕事でどんなものをつくり出せれば良いと思っているか、お二人の理想や希望を聞きたいです。
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私の視点としては、まだ社内には海外の言語や文化に壁を感じている人が多いため、会社としても積極的に人的リソースを海外に出すことが難しい状況にあると思います。
そうした海外に出ることを阻害する壁をなくしていく方向にシステムを構築していければと思います。
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以前、海外で生活をしていた際に、仕事がなく、貧しいために幼い子どもが亡くなってしまうような光景を目の当たりにしました。だから海外事業を通して現地の雇用を生み出したい。
大和ハウス工業は、スピーディーかつ大量に、多様なフィールドで、住む場所や学校などの建物をつくることができる技術力と推進力を持っています。そこにシンパシーを感じて入社しましたし、自分もその力を使って海外で仕事をつくっていきたいと考えています。そして海外に大和ハウス工業が知られるようになれば、国内での価値向上にもつながるのではと思います。
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それは、個人が生きる基盤としての住む場所をつくることでもあり、同時に社会の基盤をつくっていくのだ、というような感覚があるのでしょうか。
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そう思っています。仕事を通じた社会貢献という観点は、個人のやりがいにつながっています。
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まさに正義と利他ですね。
僕にもそういうところがあって、今、日本は人口が少なくなっていて、しかも高齢化しているので、ダブルパンチで「食べる量」が減っています。このままだと発酵食品も産業も、醸造の文化も続かない状況にあるなか、国内でパイの奪い合いをやるべきではない。
だから、自分の事業は日本の発酵文化の維持につながる公益性が高いものであるべきで、パイ自体を増やすために海外にお店を出していくことが、ひとつの答えになっています。
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いっそ閉じておくことで、何だか訳の分からないものが醸造されていくというやり方もあるような気がしますが。
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これだけ日本の発酵文化が注目されるようになると、例えば、今はアメリカなどで酒蔵がたくさん出来つつありますが、それを防ぐことはできません。
だから、目指す先はつくらせないのではなく、ワインのように世界でつくられているけれど、本場はボルドー、ピエモンテだよね、というようなブランドをつくっていくことにあります。
だからこそ、日本の文化や仕事のクオリティーの根源はどこにあるのかをプレゼンしていかなくてはなりません。それが僕にとっての今後10年ぐらいのすごく大きなチャレンジだなというふうに思います。
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我々の業界でもそうなっていけるようにと思います。
今日はありがとうございました。
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まとめ
グローバルなチームのマネジメントで活きる「日本らしさ」とは、責任をチームと共有しながら、現地の良さを引き出し、新たな価値を創造していく「利他的」なアプローチにある。それは、醸造家の仕事が微生物に発酵を委ねながら、期待するうま味を引き出す徹底した環境づくりにあることと類似している。
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対話をつなげよう
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世界では今、戦争などの政治的要因や経済不況の影響から、移民・難民が各地で増加しており、賃貸住宅や低所得の人向けの住宅が圧倒的に不足しています。一方で、国内では人口減少に伴い、人口に対して住宅が過剰気味である現状があります。これらを背景に、国内中心であったこれまでの住宅産業のあり方を変え、グローバルに展開していくための新たなモデルとして、大和ハウス工業では現地の建設系企業のM&Aを推進し、投資という形での事業展開をスタートしています。グローバル・トレーニー制度は、その担い手となるグローバル人財を育成する機会として開始したものです。
グローバル・トレーニー制度は、海外で仕事を経験することができ、またその先に赴任するときの準備になります。さらに、海外赴任した社員が、安心して継続や帰任ができる環境づくりも進めています。もちろん研修後に国内で仕事をつづけるという選択肢もあります。対話に登場した榎本さんはテキサスに赴任し、山崎さんは国内でフロリダのプロジェクトに携わっています。ですから、海外にでてみたいという人には、やる気、コミュニケーション能力としての語学、建築の知識と技能があれば、ぜひグローバル・トレーニー制度を利用して、自身の海外での力を試してほしいと思います。
そして、今は国内で頑張っている社員の皆さんにも、長い仕事人生の中で、今の仕事に飽きてしまったり、道を見失ってしまったり、閉塞感を抱くような場面があるだろうと思います。そうしたときこそ、海外に出て現地に学ぶことで、新たな気づきを得られるはずです。そのための選択肢のひとつとしてグローバル・トレーニー制度があることを、ぜひ知っていただきたいと思います。
大和ハウス工業株式会社
執行役員 海外事業技術全般担当
建築事業本部技術統括部長(設計担当)
松葉 明
※本稿に掲載した各コメントは、対話者の経験に基づく個人の感想です。